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野獣死すべしのsonozyのレビュー・感想・評価

野獣死すべし(1969年製作の映画)
5.0
可愛い息子を轢き逃げで失った父親の怨念を描いたクロード・シャブロル監督のサスペンスフルな復讐劇。

フランス、ブルターニュ地方。作家マルク(ペンネーム)の7歳になる息子が、浜辺から一人帰る途中に飛ばしてきた車に轢き逃げされる。

最愛の息子を突然失ったマルク。警察の捜査も進捗しない中、何年かかろうと必ず犯人を見つけ出し復讐すると決意する。

彼が車で田舎道を走っていた時、ぬかるみにはまり動けなくなってしまい、たまたま通りかかった男に助けを求める。
彼が語った話から偶然、犯人の手がかりが・・

車、日記、崖、ヨット・・・
復讐を秘めた穏やかな紳士マルク(ミシェル・デュショーソワ)、美しき女優エレーヌ(カロリーヌ・セリエ)、不快極まるゲス男ポール(ジャン・ヤンヌ)、その他も完璧なキャスティング、オープニングからラストまで引き込まれる音楽&映像&脚本。

最初と最後に流れる、ブラームスの『Vier ernste Gesänge(4つの厳粛な歌)』第1曲(歌: Kathleen Ferrier キャスリーン・フェリア)。
その歌詞から引用されるマルクのモノローグ「野獣死すべし。だが人間も同じ。どちらも死ぬ運命だ。」

痺れる1本です。
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