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ジオストームのJunのレビュー・感想・評価

ジオストーム(2017年製作の映画)
3.4
『ユニバーサル・ソルジャー』(1992年)、『スターゲイト』(1992年)、『インデペンデンス・デイ』(1996年)、『GODZILLA』(1998年)、『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』(2016年)、監督を務めるディーン・デヴリンのフィルモグラフィを見ればピンとくる。みんな大好き(?)ローランド・エメリッヒだ。その点を踏まえるとこの作品の楽しみ方も自ずと理解される。ポップコーンムービーの気分でなければ回れ右をすればいい。
今作で面白いと感じるのが、頻発する自然災害に対抗して作られた気象コントロールシステム「ダッチボーイ」が悪人の手によって利用され暴走が起きるという、一歩踏み込んだ設定を持つ点。これによってディザスタームービー×政府の陰謀が成り立ち、自然災害のパニック要素と悪事を暴くスリラー要素を兼ね備えた作品となっている。まぁB級にB級を掛け合わせたところで、詰まるところ出来上がるものはB級でしかないのだけれど。事態の収拾に乗り出す兄弟が仲違いしているというこれまたベタベタな設定であるが、宇宙ステーションと地上とで別々の舞台でドラマとアクションが展開され解決を図る過程は良い。兄弟間でしか分からない暗号のやり取りも、使い古された感はあるが悪くない。科学考証を持ち出す気さえ失せるハチャメチャ具合だが、世界各国で起こる災害描写も豊富でエンタテインメントとして申し分ない。竜巻、凍結、急激な気温上昇に伴うガス管の爆発、落雷、津波…、東京に降り注ぐ巨大な雹も拝める。落雷を避けながらのカーチェイスは画的に新鮮で面白いのだけれど、悪人連中も自分たちが死の危険に直面しているのが謎だった。計画規模が大きすぎる割に雑すぎない? 最後には兄弟も仲直りしたし、アメリカ主導となってこれからも世界の平和は守られていくんですね、めでたしめでたし。そんな作品も嫌いじゃないよ。手放しで評価することはできないけれど。
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