このレビューはネタバレを含みます
大好きな映画なのでちょくちょく観てしまう。
全てが詰まってる映画のように感じる。
激しく鮮烈なアクションが主体のようでいて、圧倒的な頭脳を持つ会計士としての活躍は気持ちが良く、障がいがあるが故に人との関わりが苦手なんだけどそれでも人と繋がることに少し前向きな主人公の優しさが滲み、生きることの厳しさも描かれながら、作品としては障がい者への優しい眼差しがあって人間讃歌のようでもある。
話を知っていて見直すと、前半のパズルのシーンだけで少し泣けちゃう。
本当に演出も話運びも編集も上手。
メインの話に入る前に何人かのストーリーがそれぞれ進むんだけど、そこで何気なーく大事な要素をすこーしずつモンタージュのように散りばめてる。
主人公の淡い淡い恋の終わらせ方。
きっと心を寄せているだろうに、過去の父の言葉、それは息子を思えばこその言葉なんだろうけど、その言葉が足枷となり、そっと扉を閉める。閉じゆく扉の隙間に最後まで映る、寝ている彼女の姿が切ない。
音楽の使い方もとても素晴らしい。
ラストなんてあの歌の雰囲気のおかげで、さっきまで大殺戮シーンをやってたのに、しんみりとしちゃう。
そして、やはり役者陣が素敵。
ベン・アフレックってのはほんとすごい役者よね。ほとんど表情が動かない役なのに色々と伝えてくる。
脇を固めるアナ・ケンドリックやJ・K・シモンズも素晴らしいが、何よりもジョン・バーンサルだな。
ラスト付近、強烈な兄弟喧嘩の後の表情、泣かせる。
いい映画だなー。