かめ

ザ・コンサルタントのかめのレビュー・感想・評価

ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)
4.0
予想をはるかに超えるいい作品だった。
謎の会計士の捜査と、その会計士が巻き込まれる謎の敵と殺し屋たちと対決という、二つのストーリーがいいテンポで進んでいく。
アクションとサスペンスの間に、結構笑いも入っていて、吹き出してしまうシーンがいくつもあった。
序盤から中盤に、観てるものに分かるかどうか微妙な謎が上手く散りばめられている。
謎の一つに、子供の頃の回想シーンから、とても気になる事が出てくるのだが、終盤のクライマックスのシーンでいきなりサプライズ的に明かされる。
また、ある人物の過去も、思いがけずに序盤のシーンに繋がり、これまたサプライズ。
エピローグでも、最後の謎解きが明かされる。
とにかく、練られたストーリー。

ここ数年、「ゴーン・ガール」、「アルゴ」、「ザ・タウン」、「カンパニー・メン」など、役者として、時に監督として、(バットマンを除いて)とってもいい作品を作って来たベン・アフレックも、またいい演技を見せてくれた。
大人になっても人とのコミュニケーションが出来ない、表情がない、ルーチンの生活が破られると狂いそうになる、そんな自閉症の男を、セリフを抑えて上手く演じている。
虚ろな目がいい。
逆に戦闘モードに入った時の表情の違い。バットマンで鍛えた体で、格闘シーンも親友のマット・デーモンに負けていない。
アナ・ケンドリックも、「マイレージ、マイライフ」を思い出させる自然な演技が良かった。どこにでもいる新人の会計士という匂いを漂わせた。
そして、J・K・シモンズ、ジョン・リスゴー、ジェフリー・タンバーのベテランたちの使い方も、それぞれにピッタリの役を割り当てて、いいキャスティングだと思う。
最近で、一番「ロッテン・トマト」の評価とのギャップのあった作品。
80%以上は取っていい映画。

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