原題はThe Accountant だから「ザ・会計士」でないといけない。でも会計士というと、地味で、お堅くて、クソ真面目で・・・、派手な映画には絶対向かない職業。「会計士」という言葉から来るそんな印象と主人公とのギャップがメチャクチャ大きいことを狙った原題だったのだろうが、邦題はコンサルタントとなってしまって、意外性さえもなくなり・・・。
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そんな些細なことはすぐに忘れてストーリーに入り込んでいける、とてもよくできたサスペンス・ミステリー(ついでにアクション)でした。
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いかにもワケアリで暗い感じの超腕利きの会計士クリスチャン・ウルフ(=ベン・アフレック)が、臨時の会計士として、リビング・ロボティクス社の財務調査に入る。一晩で過去15年分の帳簿全てに目を通し、不正があることを見抜く超人ぶり。でも調査はそこまでと会社からストップが入り、彼の命を狙う何者かが現れる・・・
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同じ頃、財務省の分析官メディナは、所長に呼ばれ、職権濫用のパワハラまがいの脅迫により謎の人物の極秘調査をすることになる。世界中で資金洗浄する大物たちに影のように一緒にいる黒いスーツ姿の白人男性。
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時々挟まれるウルフの少年時代の回想から、次第に分かってくる彼の生い立ち。メディナの捜索からわかってくるウルフの裏の顔。黒幕に次第に迫るウルフ・・・
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平行に進んでいた話が次第に一つに収斂していく・・・、最後の30分の怒涛の展開は、ついていくのがしんどかったが、最後のひとつのピースが埋まった感はなかなかだった。
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終わってみれば、ウルフの家族の物語(厳しい父と息子、母と息子、兄弟)という意外なところに収まってしまう、できすぎなお話でした。ウルフとカミングス(=アナ・ケンドリック)の淡い恋愛関係も良かったです。
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ただ、気になったのはウルフが発達障害で、軍人だった父親が彼を思ってスパルタな育て方をしたという設定。このことで書きだすと話が長くなりそうなので、今日はここでおしまい。