コマミー

リトル・マーメイドのコマミーのレビュー・感想・評価

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)
3.8
【価値観を乗り越える】




兼ねてから色々言われているこの実写版「リトル・マーメイド」だが、私が思うに、"人魚"の物語に人種の違いなんかは関係なく、黒人でも白人でもその役に見合うのであれば私は受け入れると決めていた。どのような人種でも、私はアニメーション版のようなクオリティーを出せると思うし、「人種が違うからコイツは"アリエル"じゃない」と言う考えは、極めて主観的すぎると思うのだ。

なのでそんな事を思いながら鑑賞した、"ハリー・ベイリー"が演じたアリエルは、間違いなく素敵だったし、寧ろ適任だった。
元々R&Bシンガーであることも関係していると思うのだが、それをあえて考慮してもしなくても、彼女の歌唱力はアリエルにピッタリだなと感じた。そして、今回の黒人女性によるアリエルの台頭は、間違いなく全ての黒人女性にとって希望になった。

"メリッサ・マッカーシー"の"アースラ"もとてもクオリティーが高かった。寧ろアースラそのもの。ピッタリだとは元々思っていたが、ここまで型にハマるとは…。
そして人間に変身したアースラである"ヴァネッサ"を演じた"ジェシカ・アレクサンダー"…顔がほぼソックリでビックリした。このアースラとヴァネッサを目的に実写版を観るのも良いだろう。

"海洋生物や他の生物"のクオリティーももう申し分なかったのだが、それが同時に気落ちしてしまった部分でもあるかもしれない。と言うのも、動きに"軽快さ"がないように感じた。コンピュータで作ったキャラクターの限界なのだろうか、ちょっとそれが気がかりのように感じた。

これは大成功で間違いないのではないだろうか?
いろいろな見解があると思うが、肌の色や様々な人種の違いを理由に制限するのはやめるべきだ。

この物語のテーマが「価値観に囚われない」とするならば、今回の実写版も価値観に対する勝利と言えるのだろう。
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