ひかヱる

リトル・マーメイドのひかヱるのネタバレレビュー・内容・結末

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

吹替2回、字幕1回
朝イチの回で。吹替はまだ行くと思う。

まずは何よりディズニー大好きな推しが吹替キャストに選ばれたことが本当にうれしい これから100年先まで推しの歌声が愛され続けますように

雑感
・セバスチャンとフランダーはすぐ慣れる
・多分あの世界のクラゲは毒ない(さすがに気になる)
・踊るカペリートみたいな貝ちょっときもい
・アトランティカのビジュアルのワクワク感は個人的に薄かったな〜……
・逆にアースラの棲家はめっちゃアガった 入り口の骨はモササウルス!?
・アリエルが集めたコイン?とかを石の上に放り投げて出す場面があったけど、大切な宝物をそんな扱い方するか?(あとそもそも水の中で放っても、あんな机の上に投げたみたいな感じになるか?)
・巨大化アースラの上から飛び降りる時、なんで一回手繋いだ?結局すぐ離してて笑っちゃった
・死んだ者を生き返らせんのはマジで無しだろ
・せっかく冒頭で原作の「涙」に関する一文を引用して、オッじゃあどんな演出をするんだろうと期待感高まってたのに、そこまで「涙」が印象的に描かれているように感じなかった 残念


「まだ見ぬ世界へ」の音源だけを聴いて劇場に行ったので、吹替→字幕で歌詞の内容の情報量にびっくりしてしまった(そんなこと言ってたの?て感じで)
やっぱり日本語ってミュージカルに不利な言語よな……とつくづく思った。

新曲の『何もかも初めて』は、最初に吹替で見た時は、ちょっと後悔してるけどそれでも好奇心や高揚感・希望が前面に出てる歌なのかと思ってたけど、原詞だと、憧れと現実のギャップへの戸惑いと恐怖・自分の決断への強い後悔(犠牲、って単語出てきてるし)が結構占めてるのかなって感じた。

『まだ見ぬ世界へ』も、「地図にない海」という言葉が作中でも印象的に使われてるからこそ「Wild uncharted water」の訳である「果てしない世界/海」は若干違うよね?と思ってしまった。「未知」や「未開」と「果てしない」はイコールではないと思うので……


アリエル、歌はすごくよかったけど、末っ子として存分に愛され甘やかされて育ったが故の、自分の可愛さをわかってる振る舞いや、どうしても憎めないズルさやワガママさ、それに翻弄される周りの描写(だから甘やかされちゃうのねという納得感)もっと欲しかった。「パパ」呼びも「お父様」になっちゃってたし……

アニメ版では、表情がとにかく豊かで、感情がすぐに顔に出てコロコロ変わるのがすごくチャーミングだったと思うんだけど、その辺りは少し控えめだったように感じた。(アリエルの唇噛む仕草好きなのに〜……)
その分心の深いところで共鳴しあって、エリックがそういうところに惹かれていく、という過程もまあこれはこれでよかったかなと思った。エリックのバックボーンが変更・大幅に追加されてるのも良かった。ただの道楽王子じゃなく、理由と決意、国への深い愛が下敷きになって海に出ている……というところも。


推しは安定して歌がうまかったし、KTG前の茂みでアリエルを気遣いながら楽しそうにスカットルを追いかけるところの優しい声が特に好きだった
エンドロールでお名前見て大泣きしちゃった〜


アースラとヴァネッサの実写キャストが本当に最高!!!個人的に優勝キャスティングだと思ってる 美人の悪意剥き出しの表情最高〜!!

豊原江理佳さんも、ミュージカルのCDで聴いたことがあり素敵だなと思っていたので、本当によかった 元々の方も上手いけど豊原さんの歌の方が好きかも(ミュージカル俳優さんだからかな?)
ヴァネッサが鏡の前で歌ってるやつとか上手くてかっこよくて鳥肌たった〜

ジョディベンソン(・すずきまゆみ)の出演も嬉しかった。


変えないでほしかったところ
・セバスチャンの宮廷音楽家設定カット
・シェフルイクビ問題(実写化は確かに難しそうだが……)
・ウツボちゃんたちのセリフカット
・人間になってすぐ、セバスチャンとフランダーが慌てて海面までアリエルを運ぶところ
・セバスチャンのキス講座
・エリックではなくアリエルがトドメをさすシナリオに変更されていた点 「王子様に守ってもらうだけの存在として描かない」って意図だったのかもしれないけど、別にそこで表現しなくても……と思った(船の床板を滑り落ちる場面とか、鱗とか肌が擦れて痛そ〜って思っちゃったし)

↑最後のと合わせて、「何もかも初めて」の歌詞で
"Squeeze in the shoes and the corset, it's tight
And the seams are busting
Some women choose this, I guess it's alright"
ってところがあったけど、そもそも人間の文化や価値観を知らないのに「女性としての幸せ」について言及させるのは流石にやりすぎじゃない?と思ってしまった
ウーマンエンパワメント系ではアラジン実写化がすごく上手にやってたなと感じたけど、今回のはちょっと……


逆に変わってても良かったと思えたところ
・アリエルの名前を、セバスチャンが教えるんじゃなくて、星の名前をヒントに教えるところ
・エリックへの魔法のかかりが甘い→アリエルを想う気持ちがしっかりとあり、最終的に術に打ち勝ってアリエルを選ぶところ(ミュージカル版とアニメ版の中間って感じ?ミュージカルはヴァネッサは出てこず、あの声の女性よりアリエルが大事だ!と自分の意志で決める、これはこれで最高の脚本)


観た後に、ツイッターで、トリトン(スペイン系?)とエリックのキャスティングに怒っている人のnoteを読んで、あ〜……と思ったりなどしたので、なんか、色々がんばれ……と思ってしまった
(人種ごちゃ混ぜにしたいなら、アニメ版の実写化としてでなく全く新しいリトルマーメイドを作ればいいのに……と思ってしまいます まる)

あと色々変えるなら、せめて冒頭くらいはライオンキングのサークルオブライフ完コピレベルで再現してほしかったな〜……
トータルすると、わたしが求めていた理想のものではなかったかも
ひかヱる

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