なおと

リトル・マーメイドのなおとのネタバレレビュー・内容・結末

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

何度泣いたかわからないくらい泣いた…

アニメ版とは違った良さがあってめちゃくちゃ良かった…!

アニメ版をリスペクトしたり意識したりしながらも決して焼き増しにすることはせず新たな設定や要素を入れることで良い意味で独立した別の作品になってた

この実写版の方が良かったなって部分もあれば、逆にアニメ版の方が良かったなって部分もあって、この作品が好きとも思えたしアニメ版もより好きになったし、どっちも同じくらい好きだなって思えた(もっと言えば舞台版も)

アニメ版の方が良かったなって点
・メインキャラ以外の歌
姉妹の歌だったりシェフ・ルイだったりを削ってほしくなかったし、アンダー・ザ・シーやキス・ザ・ガールは魚や動物たちがみんなで歌うのを聴きたかったな
ディズニーミュージカルお馴染みのフィナーレのコーラスもなかったし全体的にミュージカル要素をもう少し残してほしかったなってところはあった

・「哀れな人々」の改変
女性は黙ってれば男性に好かれるって部分があるからだろうけど、ボディ・ランゲージ部分の歌詞がカットされてて後半の徐々に盛り上がっていく流れがなかったのは残念だった
歌詞は変えてもいいから音楽そのものはそのままが良かったな

・「取引として声を要求する」のではなく「人魚の特徴を失う」になってた点
「大したことじゃないけど…声をいただく」って軽く要求しておきながら後半で曲の盛り上がりと共に「さぁ声をよこせ!」って本性を見せるのがあの曲の、アースラの怖さだと思うんだよね
↑の歌詞改変に伴ってなのかもしれないけど…

実写版の方が良かったなって点

・エリックの描写
アリエルとエリックが海と陸の違いだけで2人が同じ悩みや苦しみを抱えているという設定が追加されたことで、2人が惹かれ合う理由も分かりやすくなった
それ以外にも全体的にエリックの過去や考えがしっかり描かれてたことで彼がただの王子様からより魅力的なキャラになった

・アースラとの決着
トドメをさすのがエリックではなくアリエルだったこと。この方が物理的な勝利だけじゃなくて物語としてアリエルがアースラに勝利したって感じがしてよかったし、人間に憧れて隠れて見ていた操舵輪を、船の上では動きにくい人魚の姿のまま這って行って自分でしっかり使って勝ったっていうのもよかった

・カリプソ音楽やその地域の文化をより濃密に描いていたこと
町の人たちとその文化を入れたことでより現実世界の延長線上にある物語のようでグッと近付いてきた感じがしてよかったし、作品の音楽や世界観がどういうものなのかより理解ができた

・スカットルの新曲
リン=マニュエル・ミランダはそういうことか…!
アラン・メンケンによるミュージカルらしいエリックの新曲も良かったけどそれに留まらず新たな挑戦もするところがディズニーらしい…!

・パート・オブ・ユア・ワールドのリプライズのリプライズ
あのタイミングで、あの場所でパート・オブ・ユア・ワールドをまた歌うのはズルい…!!
実写版美女と野獣の「ひそかな夢」もそうだけど、一番感情が大きく動くであろう失意の底にいるタイミングでのソロ曲、すごく胸に響く


どっちのバージョンも良かったけど特に書いておきたい点

・ラストシーンで 2人を送り出すのはトリトンが作る波
アニメ版の虹や舞台版でのトリトンの「海に吹く風や波、そこには私がいると思い出してくれ」(うろ覚え)で歌に入るラストも大好きで何度観ても号泣するけど、静かに背中を押して送り出すのもこのハビエルトリトンらしくてよかった
フィナーレは歌で終わってほしかったけどこのラストなら静かに終わる方が確かに良かったのかも

まとめたいこと多すぎてまとまらなくなったので最後に
色んな意見があると思うけど、ハリー・ベイリーの透き通りながらも力強い歌声や感情を力いっぱい表す表情はまさしく俺の思うアリエルだった!

実写版、アニメ版、舞台版、どれも少しずつ違いがあってどれも一長一短でどれも同じくらい好きで
この「リトル・マーメイド」という作品自体が本当に好きだなと改めて実感した
なおと

なおと