ジェイティー

リトル・マーメイドのジェイティーのレビュー・感想・評価

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)
3.4
人魚のアリエルは沈没した船から助けた王子エリックに恋をしてしまう。
人間に憧れるアリエルに海の魔女・アースラは極めてリスクの高い条件付きで人間になる魔法をかけてもらうお話。

アンデルセン原作で1989年に公開されたディズニーアニメの実写版作品。
公開前から賛否のあった作品ですが、僕個人は人種の問題についてより、初の実写化で元のディズニーアニメを再現しないことに不満はあります。
ですがそれはともかく、実際に観てみないことにはなんとも言えないので鑑賞しました。

結果としてこれは89年のアニメとは違うリトルマーメイドという印象です。
良いと思ったところは、
・アリエルを演じたハリー・ベイリーは演技に関してはまだ経験値が足りてないかなと思いつつも人間パートはドレスも似合っていた事もあってとってもキュートでした。もちろん歌は抜群に良かったですね。
・アリエルの父トリトンを演じたハビエル・バルデムは本当にピッタリ!
悩める姿も最後の表情も流石のお手前。アントン・シガーとは全然違います。
・グリムスビーの立ち位置は凄く好きですねぇ
二人の恋の行方をサポートしてくれる素敵なキャラクターです。
ちなみに日本ではトゥルーライズのアジズとしても有名ですね。
・歌は文句なしに素晴らしい演出、この辺は実写化になった際の楽しみのひとつでしょう。

気になったところは、
お話運びがだいぶ乱暴な印象です。アニメだとそんな思わなかった部分が実写化したことで悪目立ちするようになったのかもしれません
もっと言うとアリエル、エリック、トリトン、アースラの4人の問題のことでして、
主人公のアリエルは主軸なのでキチンと描かれますが、トリトン王の苦悩とアースラが敵ポジションだけど叔母であるという所にどう落とし所を設けるのかって事に加えて、今までは添え物だった王子エリックに焦点を当てているので限られた時間でどう上手く処理していくかと思っているとそれぞれが説明が足りないまたはそういう描き方じゃない事が乱暴に感じた点です。

冒頭でも書いたように賛否があってもいいですが、観た人がせめてコレはまた別の良さがあると思ってもらえるよう丁寧に作ってほしかったですね。

けれどこの作品によって勇気をもらい、救われた人がいることは間違いないと思います。
納得できない部分もありますが後世において意味のある作品となるかもしれませんね。
まだ鑑賞されていない方で気になっている方は是非自分の目で確かめてみてくれ!!