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リトル・マーメイドのnamのレビュー・感想・評価

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)
4.1
「新曲も素晴らしい!現代版リトルマーメイド 」

Dolby cinema字幕と吹替それぞれで鑑賞。
アニメのリトルマーメイド はそこまで思い入れはないのですが、劇団四季のリトルマーメイド の追加された曲も含めてとても好きでサントラはヘビロテする程で、リトルマーメイドにはストーリー云々よりもミュージカルとしての良さを今回も求めて鑑賞。

上映環境としては音楽物なのでDolby Atmos以上は必須で、IMAXと Dolby cinemaで悩みましたが海中のシーンなど暗めの描写が多くて今回はDolby cinemaを選びましたが正解でした!より海の美しさが際立つので迷ってるならDolby cinemaがオススメです!

作品に関してですがウォルト・ディズニーの死後低迷していたディズニーアニメ、第二次黄金期をもたらし、復興させていくきっかけとなったのが「リトル・マーメイド 」。1959年の「眠れる森の美女」以来30年ぶりのディズニープリンセスものであり、当時オフブロードウェイで活躍していたアラン・メンケンとハワード・アシュマンのコンビを起用した事で、その年のアカデミー賞で作曲賞と歌曲賞(アンダンザシー)を獲得。それくらい楽曲が評価された作品でした。

そして今回はいまや生けるディズニーレジェンドとなったアラン・メンケン御大に、ミュージカル界のキーパーソンリン=マニュエル・ミランダ(「インザハイツ」「ハミルトン」)がタッグを組むというミュージカル好きには夢の組み合わせ!

いくつかアニメからカットされた曲もありますが新曲としての3曲はどれも素晴らしかったです!

「まだ見ぬ世界へ(Wild Uncharted Waters )」はエリックのソロでアリエルへの想いやまだ見ぬ海の向こうの世界への気持ちを歌いあげる今回1番好きな曲でした。

「何もかも初めて(For the First Time)」では人間界にきたアリエルの初めてワクワク感や不安など心の声として歌い上げており、ミュージカル版でも「どんな夢より」というアリエルのソロがあるのですがそれにあたる素晴らしい楽曲でした!

「スカットル・スクープ!!」はスカットルがメインのラップ調の曲。声優のオーク・ワイフィナがラッパー出身であったり、リン=マニュエル・ミランダの得意なテンポのいい楽曲として素晴らしかったです。

ストーリーとしてはアニメの83分から135分と伸びてますが、エリックの人間性の深掘りや2人が恋に落ちる経緯を丁寧に描いてたのでよかったかと。

また色んな方の感想を観ますが、アニメ版への思い入れの強い方など賛否は分かれている印象です。

否定的なもので多かったのが
・ハリー・ベイリーの歌はよかったが表情の演技が乏しい
→これはアニメのオーバーな演技ではなく、割と自然な演技に見えたので個人的には気になりませんでした

・姉妹達の人種がバラバラで原作と違いすぎる!
→たしかに配慮はありそうですが7つの海で各国の美女とヤンチャしてたトリトンを想像して逆に面白かったです笑 

・エリックが王子様感がなくカッコよくない
→これももしかしたら一目惚れ的なルッキズム寄りな価値観より、内面でも惚れたということにしたのかなと納得。あとは冒険好きな設定にはピッタリなキャスティングかと

・水中表現のCC感
→そんなに悪くはないのですが、やはり海中映像としての現時点の最高到達点であるアバター2の後だとさすがに見劣りはしてしまいます

・セバスチャン、スカットルは慣れたが、フランダーが魚すぎる
→これは同意です笑 さすがに魚すぎました!

実写のリトルマーメイドに何を求めるかで評価が割れると思いますが、自分はミュージカルはストーリーは二の次、音楽がよければいい!くらいに観ているので、多少の粗は気にせず楽しめました!ストーリーはそもそも童話なのでそんな求めすぎるのは野暮だと思ってます!

字幕と吹替ですがどちらのよさもありました!
歌唱力で選ばれたハリー・ベイリーの歌声も素晴らしいですが、日本語吹替チームも本格的で素晴らしいです。特にエリックの海宝直人さんの歌声が大好きでした!

色んな偏見や揚げ足取りのような否定意見などありますが名作がベースなのでぜひ直接観て欲しいです。
配信を待つと音響的な環境ではもったいないのでぜひとも劇場で観れる今のうちに!
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