たにたに

リトル・マーメイドのたにたにのレビュー・感想・評価

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)
4.6
【なりたい自分に】2023年53本目

まんまと涙腺崩壊。字幕鑑賞。
新曲含め、全ての音楽が見事な誰かに勧めたくなる極上ミュージカル映画でした。

リトルマーメイドの本筋は言うまでもなく。人魚と人間の恋物語を描く、素晴らしい作品です。
実写となって、よりその世界観に没入できるようになっており、かなり楽しめました。

冗長的なとこがなく、テンポよく描かれ、有名すぎる作品ゆえに、余計な説明は端折って進んでゆくので、かなり見やすかったです。

映像表現でいうと、
海の中には3Dでリアルに描かれるお魚達がカラフルな色彩を持って、華々しく幸せな空間を作り出してくれています。

ミュージカルシーンは、
序盤でパートオブユアワールドを歌い上げるハリーベイリーを見た瞬間、あぁ配役が彼女で良かったのだという安心感を得ました。
エリック王子も確かにかっこいいのですが、アリエルは彼の心に恋をしたという設定も良かったと思います。コレクターという共通の趣味もあって、探究心と親への反抗という点も似たもの同士であり、ごく自然にその恋模様に馴染めました。
アースラーのハスキーな歌声も、ダークな雰囲気にピッタリで、奇妙さが見事に描かれていました。

さて、本作においてポリコレだと批判を受けていることを触れぬ訳にはいきません。
個人的にはアリエルが黒人であることは問題はありませんでしたが、若干違和感はありました。
海外での評価はわかりませんが、少なくとも日本人の国民性として、他国から差別されているという認識がないからだと思ってます。最近のテレビでは、日本は素晴らしい!という外国の人々の意見が飛び交う場面をよく耳にし、我々は優越感に浸ることが多い。
そんな簡単な説明ではないにしても、
これが差別されている当事者だったら、ポリコレだ!なんて批判はしない気もします。

私の好きなアリエルを汚すな!とか
黒人の映画作ってそれを実写すればいいじゃないか!
という意見は、個人の感想として別にいいですが、

私はディズニー作品は夢みる子供たちのためにあるものだと思っているので、小さなプリンス・プリンセスたちにとってのアリエルが黒人となっても良いのではないかと思ってます。
あ、アニメ版は白人の女の子なんだね!と気づいた時に、それはどうしてなんだろうね?と考えるきっかけになれば、それで良い。

アリエルは陸にいる運命の人とともに暮らすことを決めた。
海を見捨てたわけじゃなくて、なりたい自分の心に従った。
ハリーベイリーはアリエルとなって、原作のアリエルを見捨てたわけじゃない。彼女自身も、なりたい自分にスクリーンいっぱいで表現している。
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