結構冒頭から海の描写が美しすぎて泣けた。両隣の人ごめんなさい、感受性が馬鹿で……(なんでそこで泣くのっていっぱい思ってたと思う)。内容は普通に『人魚姫』準拠なので目新しいものはそんなにないんだけど、斬新なキャスティングで正統派な解釈を突き詰めて描いていたところが、色々センスあるし頑張ったな〜って思った。
黒人をプリンセスに起用するってことで本当に色々意見があったけど、アリエル像としてめちゃくちゃハマってたと思う…！ちょっと離れた目(若干の魚っぽさ、重要🐟)、挑戦的で好奇心旺盛な目つき、包容力のある笑顔、チャーミングさ。あと、個人的に黒人さんのドレッドヘアと赤髪が刺さった。淡い赤、良い。元のキャラクターの肌の色(白)を守るよりも、雰囲気を守る方が大事だと思うし、雰囲気の要素に肌の色は必須じゃないとも思う。肌の色でパーソナリティってそんなにしっかりは決まらないだろうし。本作のアリエルは、自然に「下半身が魚で赤髪」が成立していたのだから、大成功だと思うなあ。それは、白人至上主義のキャスティングでは成し得なかったことかもなあ。人種の幅を広げた方が、より適材適所が実現できると思う。「わざわざ黒人選ぶとかいい子ぶりすぎだろ(ポリコレ遵守にはうんざり)」みたいな意見はたぶんあるんだろうけど、まず世の流れを変えるには少々強引にやるのは致し方ないとは思う。「いい子ぶってる」って決めつけんのも違くないですか？と思った次第です。
「人間の世界がみたい！」というアリエルと、「まだ知らない海の向こうが見たい！」というエリック。誰も観たことのない世界が見たい。そのためだったら、怪我してもいいし、最悪死んでも仕方ないって、たぶん思ってる。新しいものが見たい、みんなで生活をより豊かにしたい、だから「世界を変えたい」…。この映画の作製背景とも重なりそうで、胸熱だった。"挑戦,が一つのテーマになっている映画だからこそ、挑戦するのが原作への敬意だとも思います。あっぱれ！
