ぜろ

リトル・マーメイドのぜろのネタバレレビュー・内容・結末

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

3〜4割くらいパイレーツオブカリビアンだった気がしなくもない。

ロブマーシャルでハビエルバルデムで海、となるとほとんどPotCなんだよな…… 海たしかに美しいが割と怖いところとして作られている感じがする。

なんか非常にユニークな映画だった、アニメもそうなんだと思うけどこの映画ってとにかくアリエルがエリックのことを「見る」んだなって思った。強力な視線

アリエルの陸へのものすごい憧れ、ともすれば執着みたいなものが凄まじい。それが陸への一方的な力強い視線に現れている。陸のアリエルは言葉が話せなかったり人間の文化慣習がわからなかったり、エリックと恋に落ちるにあたっていろいろとハンデがあるけど、この点(視線)に関しては圧倒的な強者だと思う。それが彼女をものすごく強い主人公にしている。part of your world reprise で歌いながら岩に捕まって横移動するけど、ものすごく必死というか、彼女にとって陸へ行くということが生殺与奪に関わっているかのような感じに見えるのがすごいなと思った。


最後、トリトンが船を押す=娘の背中を押す波を起こすというのがすごくよかった。毒のある家父長制の化身のような父親というのは『シャン・チー』のウェン・ウーみたいで最近この手のキャラクター本当に多い、そしてなぜか毒のある部分も含めて魅力的に描かれがち。家父長制はトニー・レオンの顔をしているかもしれないし、鎧をつけた超かっこいいハビエル・バルデムの顔をしているかもしれない……最後には「わかってくれたらいい」と許され和解する。これ以外の結論をつけた映画があったらいいなと思う。
ぜろ

ぜろ