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リトル・マーメイドの76のネタバレレビュー・内容・結末

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

最近のディズニー実写系の中では実写化解釈の納得度もエンタメ度もかなり高くて良かった。
そもそものアニメ版リトル・マーメイドに関しては、アニメ表現の歓びに満ちてる(ディズニーってまぁそうなんだけど)点が大好きだし、物語としては今となっては古臭い作品だしで、実写版に懐疑的ではあった。(まぁ、実写化する意味自体は特になかったんじゃないかな)

まー、海中描写は微妙だったな。Poor unfortunate soul以外、わりと虚無な気持ちで見てた。あのアニメーションをそのまま実写でビジュアライズしても何のマジックも起こらないんよ。完全にアニメ版の豊さに負けてる。VFXも特段良くもないし。メリッサ・マッカーシーは流石の貫禄でした。ハリー・ベリーのPart of Your Worldはアルバムで何度も聴いてたけど圧巻。しかし、Part of Your Worldリプライズの岩からバッシャーンはわざとらしすぎて萎えました。分かるけどさ。

ただ、陸以降はかなり良かった。ちょっとラプンツェルみもあったな、あれ。ハリー・ベリーの表情の演技もかなり良くて嬉しかった。帽子返すとことかさ、すごく可愛かった。あと、エリックのコレクション部屋を出すことで、同じ魂の者同士という惹かれ合う理由をビジュアルで提示してくれるのもすごく良い。アリエルの良さって何よりもやっぱPart of Your Worldと豊かな表情なわけで。そこを拡張して恋愛の話に説得力を持たせる選択は正解だったと思う。「ここではないどこかへ行きたい」話だからね。そういう二人のロマコメとして楽しい映画だった。
ラストの二人の船出もとても意味のあるものとして成り立っててうめ〜と思いましたね。(あそこの、人魚も人間もいろんな人種が入り乱れて存在してる画はそれだけで感動的だったな、どこのユートピアだよ)
いや、しかし、出来ないのは分かってるけど俺は、ロン・ハワードの「スプラッシュ」くらい思い切ったエンディングにしてほしかったよ。とは思いましたね。

序盤のサメや最後の巨大タコのホラーパートも良かったですよ。アリエルの機転の効く頭の良さみたいなのもここで示されて、あー好きだなって思いました。

For the first time、ミュージカル版のBeyond My Wildest Dreamsの変奏なんだけどアラン・メンケンとリン・マニュエル・ミランダを1曲から吸えるの良すぎるな。

The Scuttlebutt、勿論LMM新作ともなればアルバム公開から聞いてたわけですが、勿論いいです。最高。ダヴィード・ディグスとオークワフィナのLMM書き下ろしラップとか最高に決まってんだろうが。

最近のアメリカ映画はまた血縁大事に回帰する感じのお話が多くて辟易してるものの、エリックが難波船孤児ってことからそこを回避してるのもまぁまぁ好ましかったです。

吹替みてないけど、エリック海宝直人わかりみすぎ〜めっちゃ良き〜(みろよ)

長々、オタクの戯言でした。結局おらも資本主義に飲み込まれてやがんの。
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