ストーリーは軽く観れてリトル・マーメイド
の世界観と歌を楽しむための映画です
昨今のディズニー実写化映画は元のアニメが好きな人だけ観ればいいって感じで、映画として良いと思えるのはティム・バートン監督の「アリス・イン・ワンダーランド」が最初で最後でした。その後の実写化映画は収益は見込めるけど(ファンは確実に観るので)名作にはなり得ないし元のアニメを超えることも絶対にない。それを制作陣も分かってて作っていそうで、作業感が否めない。そんな虚しさがあります……。
しかし、アニメや漫画の実写化の醍醐味はなんと言っても、アニメの憧れの世界がリアル世界に持ち込まれることで重厚感が増したり自分と同じ世界にこのキャラクターがいるのか!って実感出来てわくわくすること。
アニメではあまり描かれなかった人間側の世界やエリック王子の人間性もより描き込まれていて良かった
ハリー・ベイリーの歌声も曲も良かったです。海中で海の生物と踊るミュージカルシーンが凄くいい!描写と映像が凄いです。一番の見どころかもしれません。
しかしアニメのビジュアルイメージが強いからか役者とアリエルのイメージが合っていないような気がします。故にリトル・マーメイドのアニメの実写化として観たかったものとは違っていました。
あとセバスチャンがあまりに蟹すぎて初見大笑いしました。
リトル・マーメイドの世界観は、あくまで現実には存在しない架空の世界、国の物語なので多人種のカオス文化でも受け入れられますが、黒人の女王に西洋の典型的な貴族ドレスを着せるのは、良いのか…?と引っかかります。
ポリコレ配慮が過剰ではないかと公開前から言われていましたが、意識しすぎて一周回って違和感を感じる奇妙な表現になっています。なんだか皮肉めいていて滑稽です
この現象を「ポリコレのマニエリスム」と名付けました