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ブラック・スワンのoimoのレビュー・感想・評価

ブラック・スワン(2010年製作の映画)
5.0
ダーレン・アロノフスキー監督の、人間の陰の部分を狂気的且つ愛情たっぷりにじっとりと描き出す感性が大好き過ぎる。

理性と本心。
抑圧と解放。
白鳥と黒鳥。

何か常に自分を追い込んで他人からの評価を必要以上に気にして病んで自滅するニナの時限爆弾加減が一時期の自分と重なり過ぎて全く他人事と思えない。
完璧で居る為に自分を抑圧しなければならないと思い込んでしまうところとか、もっと自分を解放しろ!とか心を開け!とかそんなふんわりしたこと言われても明確にどこをどうしろって言って貰わないと分かんないところとか。分かる…めちゃくちゃ分かるよう~…と一緒になって泣いてしまう…。
多分その時点で芸術関係の仕事向いてない。Don't Think.Feel!って私も一番憧れるけど一番苦手。

なだけに、外から見るとバッドエンドでしかないラストの大爆発はニナにとっては最高のハッピーエンドなんだよな。
この壮絶なカタルシスの中毒性が強過ぎて定期摂取したくなるセラピー作品です。
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