ゆかちん

ブラック・スワンのゆかちんのレビュー・感想・評価

ブラック・スワン(2010年製作の映画)
2.9
色んな賞を取った作品で、当時話題になっていたような(当時は映画に興味がなくて)。
子役を脱したナタリー・ポートマンの出世作の一つなのかな。

バレリーナ間のドロドロ話なのかと思いきや、
なんとナタリー・ポートマンの1人狂気!

でも、「これしかない」と全てをかけて努力してきたら、自分への苛立ちやプレッシャーから思い詰めて狂ってしまうのもわかる気がする。




ニューヨークのバレエ団に所属するニナ(ナタリー・ポートマン)は、元バレリーナの母とともに、その人生のすべてをダンスに注ぎ込むように生きていた。
そんなニナに「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスが巡ってくるが、新人ダンサーのリリー(ミラ・クニス)が現れ、ニナのライバルとなり、やがてニナは自らの心の闇にのみ込まれていくーーー。


『白鳥の湖』の主役「白鳥の女王」は、純真で無垢な「白鳥」と、官能的で邪悪な「黒鳥」の二役を一人で踊るため、相反する存在を一人で表現する実力が必要。

ニナの生真面目で几帳面な性格は白鳥役には向いてるけど、妖艶な黒鳥を表現し切れないと演出家トマに言われ続け、自分でも苛立ち追い込まれる。

ニナは清純だけど、めちゃくちゃ野心家。
役を取るためなら…というところもある。
だから、黒鳥を演じる素養はあると思うねんな〜。

ある意味、成長のチャンスだとも言えたのだろうけど、全てが悪い方向に転がる。

一つ目は、元バレリーナで、ニナのために自分のバレエは諦めたという母からのプレッシャー。
交友関係も認めず、過保護すぎる。
でも、最後、母はニナを舞台に行かせないように止めていたから、最低限の母としての愛はあったんやろな。バレリーナとしてではなく1人の娘として大事だから止めたというか。

二つ目は、セクハラ演出家。
こういう世界ってこういうもんなんかな。
官能的な魅力はこういうことしないと出ないて言いたいのか?ただの自分の欲望?
どちらにしても、ニナを狂気に走らせるようになってしまった。

三つ目は、ライバルの存在。
リリーへの嫉妬と焦り。でも、リリーと抱き合う妄想してたし、どこか羨ましいと思ってたんやろかな〜。

四つ目は、ニナの性格。
バレエ命で生きてきたらこうなるのも仕方ないのか。母もそんな感じやし。
おかしいと気づいて立て直すには若すぎたし、何も知らなさすぎたのかな。。

こういうのが積み重なって幻覚を見出し、最後にドカン💥って感じ。


ずーっと抑圧されて息苦しいナタリー・ポートマン。
だからこそ、最後のバレエのシーンは迫力があったし、全てわかった上でのラストのダンスと、恍惚とした笑顔で呟く「完璧よ」は、悲劇なのに解放感があった。

いやあ、ナタリー・ポートマン、すごいね〜。
子役から女優へと変化するタイミングでこの役というのは、ナタリー自身のキャリアにも沿うのでは。


リリー役のミラ・クニス、土屋アンナに見えて仕方なかったw
美人!!
ウクライナとアメリカの人なんやね。

トマ役のヴァンサン・カッセル、他の映画で見たことあるような。オーシャンズかな。フランス男って感じするね笑。


幻覚と妄想がわかりやすく出ることもあったけど、どこからどこまでみたいな感じで曖昧というか、グチャグチャ!て混乱してた。
それもニナの狂気を表しているのか。

1人狂気で1人完結。

白鳥から黒鳥、そして白鳥で死ぬというのは、ニナの人生そのままになってしまったのか。
バレエの通りの結末を迎えられたことも「完璧」ということなのか。

お母さんが泣きながら見ていたのをちゃんと見届けたのも含めて。
でも、お母さん、絶望感すごそうだよ、、。



よく出来た作品だと思いました!



あ、ニナがリリーに連れて行かれたクラブで出逢った男性役に、MCUでのバッキー役、セバスチャン・スタン!
やはりここでも色男の役w
甘いマスクでずるいなぁ。
チョイ役でしたけど。
ゆかちん

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