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婚約者の友人のniのレビュー・感想・評価

婚約者の友人(2016年製作の映画)
5.0
私の好みにドンピシャ!今まで見たフランソワオゾンの映画が好みとは言えなかったから、見る前はそんなに期待していなかったのだけど、観てみるとすごく面白かった。ヨーロッパを舞台にした映画にありがちの、その国での言語が話されずに英語が話されているってこともなくて、本当に俳優たちがフランス語とドイツ語を両方話したりもしていて、それも良かった。
モノクロとカラーを使い分けているのも面白かった。モノクロの場面が9割越えだけど、だからこそ、カラーの場面が際立っていたし、映像がとても美しかった。私はいまいち、何を持って白黒か
中盤からはサスペンス要素が強くなるが、展開が読めず、明かされていく真実にひたすら驚く。
映像だけじゃなくて、言葉で説明するのは難しいのだけど、全てが美しい映画だった。戦争の残した爪痕は大きく、それは無くならないが、かつての敵を赦すことは出来るという人間の器の大きさ(適切な言葉が思い浮かばない)を感じさせられる。
善意ゆえの嘘を扱ったと言えばちょっと「ディアエヴァンハンセン」と似ているかもしれない。あの作品は好きになれなかったけど、この作品は好きだったな。今回の嘘は良い嘘だと思う。真実を伝えることだけが、相手にとって最善だとは限らない。
ラスト、切なさに溢れてて泣けたし、あのシーンの美しさに本当に心が洗われた気持ちになる。映像も本当に綺麗で、上手く言えないんだけど、とりあえず大好き。
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