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婚約者の友人のクリームのレビュー・感想・評価

婚約者の友人(2016年製作の映画)
3.8
エルンスト·ルビッチの『私の殺した男』のリメイクだそう。そちらは未観なので、サスペンスとして楽しめました。予想とは違う展開に目が離せませんでした。ラストは観賞者に委ねられます。あれこれ、考えるのが楽しかったです。

1919年ドイツ。婚約者のフランツが戦死し悲しみに暮れるアンナは、フランツの墓に花を手向けて泣いているアドリアンと出会います。フランツと戦前のパリで友情を育んだと語る彼に、アンナとフランツの両親は次第に心を開いていく。やがてアンナがアドリアンに婚約者の友人以上の感情を抱いたとき、彼は自らの秘密を明かすのですが…。



ネタバレ↓



アドリアンは戦前のパリでフランツに会い、彼がルーブル美術館でマネの絵を気に入ったと話たがそれは嘘で、戦地でお互い睨み合い、フランツを殺したのはアドリアンだった。フランツに殺す意思の無かった事を後で知り、罪悪感で彼の手紙の相手アンナや家族に赦しを乞う為にドイツに来たのだった。アンナは両親に本当の事は話せず、アドリアンの母が倒れて急遽帰国した嘘をついた。
フランツから来ていた手紙に返信すると宛先不明で返送されます。彼に惹かれていたアンナはアドリアンに会いに行きます。
彼はオペラ座にはおらず、アドリアンが言っていたマネの絵を見る為にルーブル美術館へ行くと、それは『自殺』というタイトルの作品だった。 アンナはアドリアンが行ったらしい病院で彼と同じイニシャルの人が死亡したと知り、墓地へ行きます。それはアドリアンの叔父でした。そこで、アドリアンの住所を聞き、彼と再会します。歓迎されますが、彼の母からファニーという女性を紹介されます。彼女がアドリアンのフィアンセである事に気付きます。
鈍感なお坊っちゃまの彼はアンナの気持ちに気付かず、アンナは想いを告げます。しかし、彼がアンナの気持ちに応える事はありませんでした。
アンナを駅まで送ったアドリアンは結婚式への参列を無神経にも求めますが、勿論アンナは拒みました。
アンナは両親に夢のような毎日で、いつ家に帰れるか分からないと嘘の手紙を書きました。
そして、マネの『自殺』を眺めます。隣にはイケメンが座っていた。

最初は、アドリアンとフランツは恋人同士だったって話かと思ったら、殺した
相手だった。アドリアンは自責の念から、アンナ達に赦して欲しかっただけ。アンナは、フランツの死や望まない縁談等から逃げ出したくて、誰かに助けて欲しかった。だから、自分の都合の良い様にアドリアンとの恋を妄想した。それでも2人がそれぞれ、新たに歩き出すきっかけにはなった。厳しいけど、悲しみの後の前向きなお話に思えました。
モノクロの中に時折、カラー映像が印象的でした。カラーは、アンナが信じたい世界だったのかな?解釈がムズい。
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