くろまめ

冷たい熱帯魚のくろまめのレビュー・感想・評価

冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)
2.0
初・園子温作品でした。

園子温あえて避けてたけど、実際にあった事件を元にした映画に弱いので、好奇心に勝てず手を出しました。



さんざんレビューでグロとかトラウマとか言われてたけど、個人的な感想としては、ギャグ?と思っちゃった。


でんでんが助演男優賞取ったのは何となくわかる。
寅さんのタコ社長みたいな昔気質の経営者らしい鷹揚な表の顔が、いきなり人を殺す事に何の躊躇も無い恐ろしい人間に変わる。
今は明るい店長の面、今は人殺しの面って、切り替わりがはっきりわかる。


今まで、見たことある名脇枠の役者さんって意識から、このおっさんすごいなーって思わされる程の存在感。


でも一番この映画で頑張ってたのは女優の黒沢あすかと神楽坂恵だと思う。
なんせ脱ぐし。意味なく胸チラするし。


色々つっこみ所はあるけど、箇条書きすると

・なんだあの熱帯魚屋
・どっちの旦那にも奥さん釣り合わねーだろ
・弁護士今まででんでんと一緒にいてその最後って嘘でしょ?
・醤油の必要性を教えて欲しい
・警察役にたたない
・娘に何ひとつ共感出来ない。もちろん、最後まで


と、上げればキリがないからこの辺りで辞めとく。


黒沢あすかの役的にはまぁ、ああ言うタイプだからでんでんと一緒にいるのはまだ理解出来る。
色んな意味で満足させてくれるし、やり方はどうであれ、でんでん甲斐性なしじゃないしね。


神楽坂恵は一体どう行った経緯で吹越満と出会って再婚するまでに至ったのか?

だって全然釣り合わないの!
何の取り柄も無くて、面白みのない吹越満がセクシー全開の神楽坂恵と夫婦って違和感ありまくりで、家族の大切さの葛藤が陳腐に見えてしまった。


さんざんレビューでグロいと言われてたけど、終始でんでん夫婦のマグロ解体ショーを見ている気になって、今にも「よっ、社長!大トロ1丁!」って威勢の良い声が聞こえて来そうな気分になった。
もちろん、奥さんの「あいよ!」の合いの手付き。


人間の本性とか、どす黒い部分と言うよりかは、どうだ!こうすればショッキングだろう!園子温は欲望をこんな風に切り取っちゃうんだぜ!これが園子温だ!って言う主張が強くて鑑賞後は「(;-ω-)ウーン」って気持ちになった。
ある意味この園子温節がクセになる人はなるのかも。


『 凶悪』を観た後すぐだったからか、残虐な犯罪と言う点で同じだけど、あっちはドキュメンタリー、こっちはエンターテインメントって感じた。
映画というカテゴリからすると成功だったのかな?


私にはあんまり響かなかったけど、これで懲りずに、園子温作品を他のも観て行こうと思いました。
でもこの人の作品鑑賞後疲れそう。
くろまめ

くろまめ