このレビューはネタバレを含みます
きっかけさえあれば、誰もが豹変する。
とにかく怪演っぷりが見事で、先の見えない恐ろしさにどんどん怖くなる。
本当にこういう人なんじゃないかと思ってしまうほどに恐ろしくなる。
そして観ていてだんだん感覚が麻痺していく自分に笑えてくる。
村田の「厚かましいがいい人」からの「恐喝ヤクザ」への変貌が凄まじくとにかく怖い。しかし私はそれ以上に、主人公の社本のラストでの驚くべきほどの変貌に、鳥肌が立つほどに驚きと恐怖を味わった。
社本はどう考えても弱気で謙虚ないい人だったはずなのに……必死に逃げ惑い、絶望の淵からなんとか娘と妻を守らなければならないはずだった。でももうどうにもならない。
常に3人の女性、愛子、妙子、美津子が社本が村田に巻き込まれるきっかけになっている。
彼女たちの笑い声が耳に残る。
実際の殺人事件をモデルにしていて血の気が引くので鑑賞後に調べてみてください。