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冷たい熱帯魚のLODGEのレビュー・感想・評価

冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)
5.0
これが初めて観た園子温作品。

これを機に園子温作品をディグるキッカケになったのだが、当時観た時の衝撃は凄かった。

何なんだこの作品は!?何なんだこの監督は!?となりました。


小さな熱帯魚店を営む社本。
死別した前妻の娘と現在の後妻と3人で暮らしている。

家庭はキンキンに冷えきっており娘もグレている。食事も雑な冷凍食品をチンしただけの物。挙句、娘が食事中に遊びに出かけても注意も出来ない程、威厳がない父親なのである。

そんなある日、娘がスーパーで万引きをする。スーパーの店長から呼び出され叱られている所をたまたま見ていた村田に助けられる。
懇意のある村田に促され穏便に済ませる様にしてくれたのだ。

そんな村田はフェラーリに乗り、大きな熱帯魚店を営む羽振りの良い男だった。
娘を更生させる為にウチでバイトをしたらいい!と半ば無理矢理に納得させノーと言えない社本は娘に住み込みでバイトをさせる。
初めて会った男にも関わらず。

と言うのも、村田はユーモアに富み、ハツラツとしており、人間的な魅力のある人物だった。
いや、「に見えた」「演じていた」のかもしれない。

そこから既にこれから起こる地獄の様な日々に片足を突っ込んでいたのだ、、、、


これめちゃくちゃ面白い。
めちゃくちゃ面白いと言うとヤバイヤツと思われるかもしれないが、面白い。

でんでんの猟奇的な立ち居振る舞い、セリフの端々が兎に角面白い。

「ボデーを透明にしちまえばいいんだよ」
「俺は人がいつ死ぬか、一番分かってる」
「俺も幸せになりた〜い」
「お魚ちゃん達も喜んでる」
等、名言多数。

久々にまた見返したのだがやっぱり面白い。この気狂いじみた演技が素晴らしい。当初、これを観た数ヶ月はでんでんが怖くて怖くて仕方が無かった。
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