一度聴いたら耳から離れない戦後日本最強の電波ソング、『後から前から』を同名主題歌に添えた本作。
世間では歌のイメージが先行しすぎている気もするが、作品自体もなかなかにエッジの効いた内容。
あらすじだけを見ると凡庸なんだけど、実際にみるとそのとっ散らかり方の印象がすごいんだよなあ。
特に、風祭ゆきの制服逆売春シーンの静かなるインパクトは絶大。
ラストの突き抜け方も悪くなく、単純な駄作以上の『名作感』を味あわせてくれる。
畑中葉子はこれ以外もロマンポルノに出演し、主題歌としてエロ歌謡をいくつか出しているが、これを超えるものはないだろう。
モアセクシーとかイマイチだったし。
この作品も映画としてのクオリティそのものを問われると評価に迷うのだが、今や日本の裏音楽史に燦然と輝く伝説となった主題歌とともに、「すごいものをみた」という作品の出来以上の体験価値を味わえる珍品だと思う。
