みんと

フリック・ストーリーのみんとのレビュー・感想・評価

フリック・ストーリー(1975年製作の映画)
3.7
『ボルサリーノ』のジャック・ドレー監督作品。コチラはアラン・ドロン×ジャン=ルイ・トランティニャンの豪華共演。

フランスの犯罪史上、最も凶悪なギャングと言われるエミール・ヴュイッシュを追う敏腕刑事の活躍を描いた実話に基づく作品。
過度な期待をせずに観たのが良かったのか楽しめた!

靴音コツコツとアラン・ドロンの足元をカメラが追うオープニング、そしてクレジットの被せからセンス抜群。下から上へフルショットで捉えた瞬間には当然ながらうっとり。…とまあ終始アラン・ドロンがカッコ良い作品である事に違いない。
ただ、今作ではとにかくトランテニャンが悪い!冷徹で凄みのある存在感を発揮し、それが新鮮でもあった。

泥臭い張り込みスタイルは日本もフランスも似たようなものだった。ただ、流石はフランス!食事はアンパンと牛乳じゃなく、固そうなバゲットと小瓶の飲み物(何だろう?)だった。

ダブルのスーツにツイードのジャケット、チェックのハンチング… とドロンのファッションも見逃せない。とりわけグリーンのトレンチコートの着こなしは流石!
あと、やたらくわえタバコで喋るものだから うっかり落ちないかとハラハラだった。

通して盛り上がりには欠けるけど、クライマックスでの緊迫感は見応えがあったなぁ。
そしてラストカットはカメラ目線のドロンにくぅぅ~!!

ベルモンドとは全く違うけど、コチラもまた対象的な2人の演技合戦が見どころでもある作品だった。
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