キンキン

マンガをはみだした男 赤塚不二夫のキンキンのレビュー・感想・評価

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「庭にお願い」「アトムの足音が聞こえる」に続き、冨永昌敬監督が手がけたドキュメンタリーの3作目。相変わらず、名前のテロップはズレている。

今回は、前2作と変わって赤塚不二夫が故人となっているので、生前に残された音声テープを中心に古い映像と写真から、漫画家、映画監督、写真家、住職、元編集者、等のインタヴューと青葉市子のナレーションにアニメーション。そして、タブラ奏者のU-zhaanが音楽が手がけており、心地よくてついついウトウトしてしまう。んで、亡くなった人のドキュメンタリーっていうのはちょっと悲観的な作りをも考えてしまうのですが、そこは赤塚不二夫。悲しむよりも、笑おうよ。とインタヴューを受けた方々が、楽しそうに話しているのが印象的でした。

ただ本人がアル中になっても笑いを取ろうとする姿が狂気じみていて、少し痛い気分に。でも、本人は笑わせようとするのが好きなんだ、本当に好きなんだ、と。死後も、こうやって楽しく語られているのは素敵だと思いました。

特に面白かったのは、愛猫「菊千代」に赤塚不二夫氏が「わんちゃん!」と語る映像。思わず声を上げて笑ってしまいました。(菊千代と赤塚不二夫氏が伸びをしている写真は、好き。)

自分はリアルタイムで赤塚作品に触れておらず、中学生ぐらいに「平成天才バカボン」をカートゥンネットワークで見たぐらい。最近だと「おそ松さん」ですね。この映画の中に、「おそ松くん」の他「天才バカボン」とかの漫画のキャプチャーが出てくるんですけど、「おそ松さん」って本当、赤塚作品から沿っているんだなー、と。バカボンのキャラたちが次第に消えていく内容があるんですけど、あれって「おそ松さん」の登場人物がだんだん名前になっていくやつだよなー。

「レッツラゴン」は初めて知ったので、読んでみたいです。

正直、前にNHKでやっていた「全身漫画家〜真説・赤塚不二夫論〜」の方が面白かったのですが、赤塚不二夫氏の色んな資料・映像・写真が多数出てくるのは、なかなか見れないと思うので得した感じ。


鑑賞後は、午後3時。とりあえず缶チューハイでほろ酔いになり、勢いでCDとDVDを購入して2万飛びました。給料日からまだ一週間も経っていないのに..。1日で500万使うなんて無理だよ。

でも、「これでいいのだ」と思う事にしました。
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