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マンガをはみだした男 赤塚不二夫のcigaretteのレビュー・感想・評価

2.8
ポレポレ東中野にて鑑賞。
赤塚不二夫の自伝。
当時の編集者やアシスタント、赤塚氏の妹さん、娘さん、あらゆる人々が赤塚不二夫の人となりを語る。
そんな様々なエピソードを聞き、赤塚不二夫のハチャメチャな人生を覗き見ることができる。
しかし、ハチャメチャな漫画を描いても、無茶苦茶なお酒の飲み方をしていても、みな周りの人は口を揃えて赤塚不二夫は真面目な人だと言う。
赤塚不二夫は10歳くらいまでを満州で過ごした。戦争による飢えから悪ガキどもとつるんで、畑から野菜や果物を盗んだ。そんなつるんで行動していた記憶からマンガおそ松くんが生まれたらしい。
戦後の混沌した世の中でやや腑抜けてしまった実父を見て「これでいいのだ!」と、天才バカボンでのバカボンパパの名言も生み出された。
また、バカボンの警官とうなぎイヌの関係は、戦争時の上からの権力をちゃかすうなぎイヌを警官がねじ伏せるような描写で皮肉っている。
赤塚不二夫の初期のマンガの奥底には、幼少期に感じた戦争体験が見えがくれするのだ。
赤塚不二夫の強烈な人生をこんな形で垣間見れたのはいいのだが、なんというか、このドキュメンタリーの編集があまりいいツボを突いていない。
貴重なときわ荘の写真などはじっくりみたいのに、パッと出てすぐに消えちゃうし、要らない安っぽいアニメーションばかり映ってガッカリ。
あと、赤塚不二夫の年齢を思えば仕方ないけど、インタビューに答える人々が、なかなかのお年寄りばかりで連続して顔のアップが映ると、ビジュアル的につらい。
個人的には、もっとマンガ原稿とか、当時のアニメを観たかったなー。
そんなわけで、赤塚不二夫の人生はスコア5だけど、この映画自体はスコア低めです。
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