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鉄コン筋クリートのcamusonのレビュー・感想・評価

鉄コン筋クリート(2006年製作の映画)
4.0
原作はほぼ未読です。
学生時代、ビッグスピリッツを読んでいたときに、
原作漫画が連載されていたのですが、絵柄があまり好きでなく、スルーしてました。
文字よりも絵で紡いでいくタイプの作品ながら、かなりクセのある絵柄で、
特に主人公が動物のかぶり物をした子供という時点で反射的に回避していました。
青年誌の中で結構異質な存在感があった気がします。

後で評価が高いことを知り、単行本1巻を購入していたのですが、
結局読みませんでした。

原作からかなり間を置いて、アニメ化の話が持ち上がり、
監督が外国人ということで、当時話題になっていたのを思い出し、
見てみることにしました。

思っていた以上に楽しめました。
原作漫画に比べて、たぶん細部の書き込みがずっと繊細で、
色彩のセンスもよく、カメラワークや画の構成が堅実でしっかりしていて、
変に作家性を出そうとかしないところに好感を持ちました。

話は主人公の子供、町のチンピラ、ヤクザとの抗争の話で、
ありきたりだし、心動かされるところは少ないですが、
町の雰囲気に浸るのが心地いい作品ですね。

主人公の年少の子供の声が、明らかな女声なのが、
気になってしょうがなかったのですが、
それ以外はあまり気になりませんでした。
声優が演じてると思っていたのですが、蒼井優でした。
声優張りの名演が逆に鼻についたのかなあ。
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