ゾロ

シネマ歌舞伎 歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉のゾロのレビュー・感想・評価

4.0
無茶苦茶面白い!
やっぱり、大好きな世界観!!

2002年 
 『アテルイ』として
 劇団⭐︎新感線による舞台劇として上演
2015年
『阿弖流為(アテルイ)』として
 歌舞伎役者による歌舞伎化上演

作:中島かずき
演出:いのうえひでのり


古き時代、大和国
大和朝廷 帝 征夷大将軍 坂上田村麻呂
北の地 蝦夷 英雄 アテルイ
荒吐、多賀城、胆沢城、少数精鋭
八百万の神、タタリ神、呪い、結界、呪術

歴史として知っている物語と
"もののけ姫"でも描かれていた内容

話の大筋を知っていても
そこに…こんな話かもよ?…と
加味されたテイストが
脚本を抜群に面白くしている
(演出による笑い、渋さ、格好良さ、見せ場)

冒頭から主演三人が多いに絡む見せ場
そして、それぞれのドラマパートから
登場人物の本質と厚みが出てくると…
どんどん世界観に惹かれていく

【英雄】坂上田村麻呂と【蛮族】アテルイ
対立構造に、どちらを応援したくなる?
ラストはどうする?とこちらの気持ちを
揺さぶってくる

そして、七之助さん…
あなたは、素晴らしいよ👍





そして、大事なメッセージがあるよね

 海を超えた大国`眠れる獅子`に勝つには
 蛮族・蝦夷を討伐し、大和民として
 一つにまとまる必要がある!!

声高らかに、侵略の正当性を叫ぶ…
ナショナリズムの形成

今も昔も戦争、差別の理由は変わらない
それも、大きな声に誘導されてしまう
一つにまとまる為の外敵設定
人を排除(恨み)で安心する世界


歴史に学ぶ事はある
同じ日本に住んでいても民族を分けて
排除しようとした過去
救いは、蝦夷全ての殲滅ではない事
(兵役などや逃亡かもしれないが)
空海の先祖も蝦夷と聞いたことがある

もし、肌、目、髪の色等の身体的特徴や
信じる神、信仰や言語、文字等の文化が
自分達と違ったとしたら…
日本人の国民性は
どのように形成されたのだろうか?

歌舞伎の世界だって、
劇団⭐︎新感線は無茶苦茶格好良い!!

コレを劇場で見たら…
熱量半端無いんだろうなーとか
想像してしまった
ゾロ

ゾロ