ひでG

バリー・リンドンのひでGのレビュー・感想・評価

バリー・リンドン(1975年製作の映画)
3.9
いつもより時間があるので、お家でも長い映画にチャレンジ!シリーズ!
&以前観てたけど、書いていない作品をもう一度じっくり観るシリーズ!

1976年作だから、僕が高校生の時、確か日比谷の封切館に観に行った記憶がある。
当時既に映画ファンの間では神格化されていたキュープリック。今のクリストファー・ノーランのように、「次はどんな題材で来るんだ?!」と、新作をみんなが期待して待っていた監督だった。
「今度は没落貴族の話なんだって!」

ただし、記憶はそこまで、、つまり作品の内容や観た後のものは殆どない。
がっかりしたとか、分からなかったという記憶もないので、おそらくだが、ひとりの監督を追って、それを封切り直後に観ている自分の姿に満足していたのではないだろうか。

今回、再見してみて、殆ど覚えていないことに驚いた!
あの重いテーマ曲以外は、主演がライアン・オニールだったことさえら忘れていた。
3時間越えの大作であるが、前後作のインパクトが僕にはなかったし、今回の視聴でもそれは感じなかった。

よくある没落貴族もので、成り上がりが頂点に登り詰めて、一気に降っていく話でもある。
ナレーションが入るため、3時間は迷子にならず、すんなり観れる。
長く感じさせなかったのは、絵的にも綺麗で画面の連続性が継続されていたためだろうか。

思うに、作者キューブリックの視線は、一貫して、一歩下がり俯瞰で見ていた様に感じた。
なぜ、キューブリック大作映画に、感情表現に乏しい(失礼💦)ライアン・オニールが抜擢されたのか?

予想通りライアン・オニールの演技からは、「登り詰めてやる!」のギラギラ感や
「落ちていく〜💦」の焦燥感は感じられなかった。

でも、それも監督の狙い?
人生は走馬灯、、美しき風景と歴史ある建造物と、それは変わらないものとして
そこに有るのだが、、
人の歴史は儚く、小さなもの、、、
記憶にさえ残らない、小さなもの、、

綺麗だけど、また忘れてしまいそうな大作です。でも、それもこの映画の見方?なのかな、何で、考えています。
ひでG

ひでG