あしからず

星を持つ男のあしからずのレビュー・感想・評価

星を持つ男(1950年製作の映画)
4.0
おもしろい。南北戦争後の南部を舞台に腸チフスからKKKを描く社会派ながらキリスト教の救済が降る宗教映画。
落とし所は結局the理想のアメリカ像だが、ただの茶番にせず見事に纏めるジャック・ターナーの手腕に感服。白紙の遺書を読み上げたシーンは胸熱。とにかくコミカルとハードの塩梅がちょうど良い。バーでいきなり2丁拳銃構える宣教師とKKKの恐怖の夜襲から燃える十字架。ターナーの映像美はやはり闇夜に映えるが、腸チフス患者の枕元でジョエル・マクリーが祈るショットの荘厳さと揺れるカーテンが非常に宗教絵画的で美しい。
サーカスというある種の異物と共に街に病魔が訪れる流れが素晴らしかった。原住民姿の黒人をアシスタントにしたカウボーイ姿の白人のサーカス長というのも示唆的。
冒頭のみの回想録的手法は必要あったのか謎だけど良作。
あしからず

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