sei

美しい星のseiのネタバレレビュー・内容・結末

美しい星(2017年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

最初と最後が家族の変化を映し出しているシーンであるため、基本的には家族愛が軸の作品であると感じた。
しかし、この作品の約6、7割程が異星人的な話しになっているため、ここを無視することはできないが、なかなか解読できない。

気象予報士の父親が火星人に覚醒後、地球温暖化問題について訴えかけるようになり、そういったことが自分の使命だと気付くなど、この流れ自体、隠れた本性とか眠っている欲求が表出した変性意識状態のように見えた。
U.F.Oや宇宙人等の明確な描写がないため、そう捉えるのが最も自然なような気がする。

しかし、変性意識状態だとしたら覚醒前と覚醒後の決定的なメタファーが何だったのかわからない。
覚醒前は、自分の無意識下にあるそれらの感覚には、ほぼ気づいていない状態だと思うけれど、通常の意識と同列の線上にある変性意識が、どこでどういう風に表現されているかわからなかった。
時間や空間、場所等のどこかにあると思うのだけれど、あまりピンとくる箇所がなかった。
そのため、この作品に参加する取っ掛かりが見つけられず終わってしまった。

変性意識やメタファーなどに執着し過ぎているかもしれないが、個人的にこの手の作品は、超現実的な要素や、その域に到達してこそ確立される作品になり得ると思うので、作りが素晴らしいだけに出来ることならそこを見つけ出したい。
sei

sei