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はじまりはヒップホップのSのレビュー・感想・評価

はじまりはヒップホップ(2014年製作の映画)
3.9
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ニュージーランド・ワイヘキ島。風光明媚なこの島で結成されたのは、平均年齢83歳の、地元のおじい・おばあが集ったヒップホップダンスチーム。身体の衰え、旦那の介護、資金不足もなんのその。彼らはラスベガスで行われる世界最大のヒップホップダンス大会への出場を目指す。
ほっこりドキュメンタリー。
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こういう取り組みに参加すると若々しくなるのか、参加する気概があるから若いのか。その答えは、「年をとっても、自分の本質は変わらない。人生は終わらない」という作中の言葉に集約されてるなと思った。

島のおばあひとりひとりの人生を辿ると…
・長老的な存在のメイニ―は、島民を引き連れアメリカへ行き、ベトナム反戦を訴えるピースウォークに参加していたり、
・核ミサイルに反対していたカーラは、「自分から外へ出て、人とつながりたい」と呟く。
・ローズマリーは「目が見えなくても遠慮なく外へ出ていくべき」とハンデをものともしないし、
・いつもお洒落を楽しむオペラ歌手のアイリーンは、「この年になっても楽しめる、興味深い人生よ」とめっちゃ出たがりだ。

身綺麗に身なりを整え、ユーモアを交えながらもしっかりと自分の意思を言葉にする。そして振付を教え合い、資金不足の友人にはお金を工面して助け合う。島民が育んできた島のムードがいいし、そもそもこの人達はこういう生き方なんだと思い知る。

「挑戦することで若者の世界を知りたい」という姿勢があるから、若者も素直なリスペクトをおくっていて微笑ましい。
そしてなにより、おじい・おばあを世話する若いビリーのほうが、むしろ彼らのエネルギーに支えられてるのもいい。一方的に支えられるなんてヤワではないんだ、老人たちは。

“ヒップホップをやらされてる”じゃなくて、目の前にきたものに全力で乗っかって楽しめるのがかっこよかった。何枚も上手だよ、人生の先輩は。
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