爆裂BOX

ゾンビ・サファリパークの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ゾンビ・サファリパーク(2015年製作の映画)
4.7
ゾンビと人間の大戦から10年。父親を失ったメラニーはカウンセラーの勧めを聞いてゾンビを狩る事が出来る島リゾートへ向かうが…というストーリー。
このタイトルからイロモノのB級を想像しがちですが、「ゾンビ・ソルジャー」や「アウトポスト BLACK SUN」のスティーブ・バーカー監督なので真面目なゾンビ映画になっています。
ゾンビと人間の大戦から10年が経過した世界という設定は原作の「ワールド・ウォーZ」を彷彿させますね。アウトブレイクが起きた場合に備えた対抗策のプリムストン・プロトコルやゾンビの人権団体等の世界観の設定も結構しっかりしているのも好印象でした。
ハッカーの仕掛けたウィルスによりシステムがダウンしゾンビが解放されてアウトブレイクが起きてからは爆撃までに島からの脱出を目指す脱出行になっていてハラハラできますね。正しく「ジュラシック・パーク」のゾンビ版という感じです。
登場するゾンビもなりたては速く時間と共にノロノロになっていくという設定でダッシュゾンビもノロノロゾンビも両方登場させているのが面白いですね。終盤はダッシュゾンビばかりになって中々ハラハラさせます。お食事シーンはそんなにないですね。ほぼ一噛みでやられる感じで。
登場人物の中では謎の男アーチャーが強くて常に冷静でかっこよかったですね。最後まで謎のままでしたが。メラニーの恋人のルイスは終盤の行動がちょっと唐突に感じられましたね。
誰もが疑問を持つ「このペースでゾンビ撃ってたらゾンビ居なくなるんじゃね?」という疑問にも中々エグイ答えを用意しています。人間の怖さをこういう形で表現するとは思いませんでした。誰も難民の行方を気にしないというセリフが中々重いです。
クライマックスのダッシュするメラニーを追いかけるゾンビ包囲網を俯瞰で捉えたシーンはゾンビ映画史に残る名シーンではないでしょうか。
ラストは「サンゲリア」を彷彿しました。最初のゾンビ達の乾き具合も「サンゲリア」ぽいです。
ゾンビ映画としては十二分に楽しめると思います。ゾンビ映画の佳作の基準にしてもいいかも。