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パン・タデウシュ物語のadeamのレビュー・感想・評価

パン・タデウシュ物語(1999年製作の映画)
1.5
19世紀ポーランド文学の代表的なロマン派詩人ミツキェヴィチの原作をアンジェイ・ワイダが映画化した文芸作品。
共和国であったリトアニアとポーランドが辿った被支配と分割の歴史の中で、対立する貴族の両家の間で繰り広げられる争いを、戦争というさらに大きな争いの渦が飲み込んでいく過程で交わされる禁断の恋を描く物語です。
ロシアとナポレオン政権下のフランスの中間地点で引き裂かれた国家の哀しみを親の世代の対立によって難しい立場に置かれる2人の若い男女に重ねた重厚なストーリーですが、意外にもタッチは軽やかでクセがなく観やすかったです。
ただそれが印象の薄さにも繋がっており、目に焼き付くような場面が背景に広がる田園の緑の美しさくらいだったのは残念でした。
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