プレデターという魅力溢れる戦闘種族の本質的なカッコ良さを表現出来ていない、コレジャナイ感……。
良い意味・悪い意味両面でB級感に溢れているのは、監督の持ち味と80年代回帰のムーブメントによる相乗効果か。
細かいことは気にしないで、ガジェット満載、ノリの良さと展開の速さがあって、適度なお色気orラブロマンスが詰まってる…そうだな…例えて言うならマクドナルドでハンバーガーセット食って、シェイク飲んで、とりあえず満たされた気分になるファストフードムービーってヤツ。
そういった意味での良さはそこそこ詰っている(笑)
総体的に好意的な評価が多く見受けられるみたいだけど、自分としてはかなりハードルを低く設定したにも関わらず、さらに下をいく内容で残念でならなかった。
良い部分、、、
「プレデター」シリーズ正統派続編としながら、ここまでB級感に溢れる内容に仕上げた点かな? コレは、良いような、悪いような、何とも言えないんだけど(笑)
と、言うのも、1作目も2作目もけっしてA級作品って言うほどのものでは無いからね(^_^;)
変に情報過多で緻密にしたり、スケールばっかりデカくしなかったことは評価出来ると思う。
それに、最近のハリウッドのアクション映画は、80~90年代への回帰が流行りっぽいので、業界的には的を得ているのかもしれない。この流れって過去にもあったものなんだろうか?
オリジナリティやアイデア、そして潤沢なバジェットに溢れていた80~90年代(古き良き時代?笑)への渇望なのか?
この当時に大きな影響を受けた現クリエイターたちが作品にオマージュやイースターエッグを盛り込む作風がメインストリームにノッてきているからなのか?
はたまた、悩ましいネタ不足はいよいよ作品だけでなく作風(ノリ)にまで現れてきているからなのか?
「デッドプール」「ヴェノム」そして、来年にはワンダーウーマンが80年代、キャプテンマーベルが90年代を舞台に活躍するといった具合に、しばらくは80~90年代回帰ブーム(?)は続きそうな感がある。
そういった意味では、監督のシェーン・ブラックはその持ち味を存分に発揮して、よくもまぁ、プレデターというビッグタイトルをB級感満載な作品に仕上げたと思うのだ。
ただし、本作ではプレデターの本質的なカッコ良さが描けていないのが致命的なんだな…。
こっからダメ出しを並べちゃいます。
≪ ネタバレを含むので、未見の方はご注意を ≫
1.人間側のキャラクター描写が上っ面ばっかり
それぞれ個性はあるんだけど、魅力がぜんぜん無いんだよね。スカスカ。
1作目においては、シュワルツェネッガー演ずるダッチは言わずもがなで、あの小隊の面々、存在感が半端ないんだよ。
レールガンを構えるブレイン、反目するマックとディロン、特にマックの狂気やディロンの最期などなど、見せ場も豊富で印象的なシーンが多い!
2作目もダニーグローバーの中年刑事が恐怖でヒィヒィ言いながら戦う姿にハラハラドキドキがたまんなかった(改めてどちらもちゃんとレビューしなきゃ)
この2作目に登場した、ゲイリー・ビジー演ずるピーター・キース特別捜査官もなかなかキャラが立ってて良かったんだけど、本作では実の息子ジェイク・ビジーがショーン・キースって役を演じてるんだよね、おぉ!?って思ったんだけど、たいしてクローズアップされなくて不憫だなと……(笑)
プレデターって映画は、無双の強さを誇るプレデターに対抗する、人間とそのドラマが肝だと思うわけで、今回のルーニーズについては、キャラクターや行動原理、ドラマ部分が物足りないねぇ、、、
2.プレデターの強さ、カッコ良さが断然足りない
これは好みの問題もあるけど、個人的には異種交配の新種プレデターとか、猟犬とか、あんまりいらないかなぁって思ってる。まぁ、話の幅は広がるけど、こういう設定やキャラクターが出れば出るほどプレデターの本質的な魅力は薄まっている。
戦闘種族(部族)の通過儀礼として猛暑の異星に降り立ち、ただひたすらに猛者を求めて狩り続ける…。
優れたテクノロジーはあるが、生身の身体は時に傷付き、その痛みに苦悶の叫びを上げながらも、尚も闘う孤高の存在。
そんなストイックな戦士としてのプレデターの闘う姿を丁寧に描いて欲しいのだが、最近は種類や数が増えるばかりなんだよなぁ…( ´Д`)=3
3.暑さ(熱さ)が足りない!貧弱な舞台背景
コレ大事なんだよ!プレデターに適した環境ってのも設定としてあるけど、この暑さが人間をも、おかしくしていくっていう効果があるのに、ぜんぜん暑さを感じさせないんだよね。
あと、冒頭、宇宙船のチェイスシーンからはじまった時は、なんだコレ!?スターウォーズか?って思ってしまった……。AVPならまだしも、宇宙船でのチェイスとか戦闘はプレデターには要らないんだよ!(笑)
ま、そんな訳で、エピローグから続くようなら次作は期待出来ないよ…٩(′д‵)۶