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ザ・プレデターのRのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・プレデター(2018年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

自宅で友人1人と。

2018年の「プレデター」シリーズのリブート作品。

監督は「アイアンマン3」のシェーン・ブラック。

あらすじ

アメリカ軍特殊部隊のスナイパー、クイン・マッケナ(ボイド・ホルブルック「月影の下で」)は南米での任務中、獰猛な宇宙人プレデターと交戦、仲間を皆殺しにされてしまうが、そこで宇宙船からヘルメットとガントレットを入手し、命からがら逃げ延びる。回収したプレデターの装備品はマッケナの自宅に送られ、そこで発達障害を抱えながらも、天才的な頭脳を持つ息子のローリー(ジェイコブ・トレンブレイ「ワンダー 君は太陽」)の手に渡ってしまう。同じ頃、マッケナと交戦し、捕獲されたフュージティブ・プレデターは麻酔で眠らされていたが、突如目覚め、自身の装備品を取り戻すため、ローリーの元に向かう。

元々プレデターシリーズはそれなりに観ていたので、今回新たにリブートしたシリーズの新作もあくまでも「それなりに」だが気になっていて、今回ようやくレンタルで鑑賞。

うん、やっぱりそれなりに面白かった。

時系列的にはロバート・ロドリゲス製作の「プレデターズ」よりも前の話らしいが、直接的な繋がりはなく、あくまでも単体作品として楽しめる。

そして、今作で監督を務めるのが「アイアンマン3」「キスキス,バンバン」などのシェーン・ブラック。

奇しくも、プレデターの始まりの一作にして、至高の一作でもあるシュワちゃん主演の「プレデター」で特殊部隊隊員のホーキンスを監督自身が演じた縁もある。

個人的にはこの人の作風自体には好事家のファンの方々ほど、興味は惹かれないんだけど、今作ではいかにもなジャンル映画寄りの作りが嬉しい。

冒頭のマッケナとプレデターの戦闘シーンでは、プレデターと言えばな死体吊り下げからの臓物ぼたぼたな悪趣味なシーンがあったり(そんな臓物から滴る血で顔が真っ赤に染まったプレデターもカッコいい)、事態が起こるのはジャンル映画との縁も深いハロウィンだったりと、いちいちオタク心をくすぐるような演出が良い。

でも、今作の一番の見どころといえば、マッケナが成り行き上転がり込む、退役軍人受刑者で構成された「ルーニーズ」の描写だろう。

プレデターとの戦いであらぬ疑いを政府にかけられたマッケナが護送車で出会うはみ出し者集団なわけなんだけど、いやぁキャラが濃ゆい!!

ただ、元軍曹で自分の部下を死なせてしまったことから自死を図ろうとした奴がいたり、ひたすらダーティージョークを口にするのは過去に負ったPTSDを隠すためだったりとそれぞれ悲しい過去を背負った「戦争」の影の部分を負った背景があるのも感情移入してしまう。

だから、初っ端から護送車で高校生の不良グループかのように悪態をつきながらも、なんだかんだでまるで元々固い絆で結ばれたチームであったかのように抜群のチームワークを発揮する(護送車強奪のためのチームプレイもかっこよかった)ルーニーズがすぐに好きになってしまった。

特に個人的には始終タバコを燻らすナイスガイのネブラスカ(トレヴァンテ・ローズ「ホース・ソルジャー」)が男が惚れるほどのイケメンぷりだったし(決死隊な散り際も最高)、コイル(キーガン=マイケル・キー「ライオン・キング」)とバクスリー(トーマス・ジェーン「ホット・サマー・ナイツ」)の凸凹コンビの瀕死状態になったことでお互いがお互いを撃つという最後まで2人で1人な最後も良かった。

あと、その凸凹コンビの1人、バクスリーを演じたのは「パニッシャー」や「ミスト」のお父さん役のあのトーマス・ジェーンなんだなぁ、なんか…老けたなぁw

まぁ、不満点としては「どうして、そうなったの?」ってシーンもあって、悪役の博士がアサシン・プレデターとの通信後にいきなり仲良くなっちゃったり、スタジアムでの戦闘後に護送車を走って追っかけるワンちゃんのカットはあれはなんだったんだろう…。

まぁ、それでもフュージティブ・プレデターの真の目的、アサシン・プレデターのゴリゴリマッチョ具合(劇中のほとんどを装具なしで戦う、肉体派スタイル)、プレデター犬は可愛かったし(ラストの佇まい!!)、プレデター描写に関してはルーニーズメインな部分は否めないが、良かったと思う。

ラストの物々しく登場する「プレデター・キラー」はえ?もしかしてエイリアン出ちゃうの??と期待したら全然そんなことなかったけど、続編作る気満々な最後も憎めない。

上質な作品とは程遠いジャンクな作風ながら決して嫌いになれない午後ロー魂溢れる一作だった。
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