青豆

未来よ こんにちはの青豆のレビュー・感想・評価

未来よ こんにちは(2016年製作の映画)
4.1
“人は欲望があれば幸福でなくとも期待で生きられます“
“幸福を手に入れる前こそが幸福なのです“

自分の行いによってではなく、周りの人が巻き起こす様々な出来事(作中では夫の不倫や不安定な母親など)によってどんどん悪い方へと押し流されてしまう時期って誰しもにあるよね。時間をかけてでもそれらを淡々と受け止め、来るべき未来がどんなものであっても“こんにちは“と迎える事こそ我々のするべき事なのだろう。
“幸福を手に入れる前こそが幸福“このルソーの言葉によれば、どうやら幸福の状態にわたしはいるらしい。

初めてのミア・ハンセン=ラヴ作品でしたが、微妙な心の揺れ動きを描いているという点においては、ケリー・ライカート作品と相通ずるものがある気がした。
木漏れ日が美しいパリの街角も、大量の本と共に花や植物の飾られるナタリーの家も、海が見渡せて美しい庭のある夫実家も、大自然に囲まれたファビアンの家も、当然のように自然が暮らしの中に存在していて、観ていてゆったりとした気持ちになれました。
広い公園の木陰で行われる哲学の授業には是非参加してみたい…!
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