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メットガラ ドレスをまとった美術館のhitomiのレビュー・感想・評価

4.5
非常に満足度の高いドキュメンタリー。

ここ数年のMETgalaしか知らないわたしですら興奮するような作品でした。こんなに繊細で大掛かりなものだったとは。大掛かりなのは知っていたけれど、ここまでとは。尊敬の念しかない。

この年のテーマは実はあまり覚えていなくて、有名どころや自分の好きなアーティストの格好しか知らなかったので、1からテーマについて知ることができてよかった。

そして展示については「正しかったかどうか」は微妙なところ。中国でのインタビュー時の記者の質問は非常に的を得ていて良かった。東洋人が皆感じる純粋な疑問をぶつけてくれていて。
でもそれに対するきちんとした答えがなく、「あの人なんかうるさいよね」的な陰口を叩いている姿はものすごくカッコ悪かった。さすが白人、戦勝国って感じ。悪いけど。
あの質問に答えられない限り、文化の盗用問題は解決しないと感じてしまう。なんでもかんでも素敵ならいいじゃん、かっこいいじゃんってだけじゃダメなんだよ。
せっかく現地に赴いたのに。文化の所有者の意見をせっかく聞く機会だったのに。百歩譲って受け入れることができないにしても、耳を傾けるべき。勿体なさすぎる。
あと誰だか忘れたけど(ごめん)、映画や小説で文化知ることができるから現地になんて行かなくていいよーって言ってた人の神経も疑う。え?それ正気?人のフィルターを通されたものは純粋な本物の文化ではないでしょ…ちゃんと真実の姿を知ろうとしてよ…
まあこれは彼らに対しての意見であって、映画作品に対するものではないので、評価には反映してません。

兎にも角にも、舞台裏を知ることができてますます次回が楽しみになりました。今年の中止は悲しいけれど、来年こそは開催できると信じて。
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