たつ

ある戦慄のたつのレビュー・感想・評価

ある戦慄(1967年製作の映画)
4.5
かなり面白い。夜中のNYの地下鉄、走る密室で様々に問題を抱えた人物達がチンピラ2人に脅されていく不条理。他人の不幸を遠くから眺めるSNS時代を刺すようなテーマ。

事勿れ主義、波風を立てないように生きる人たちの心の闇を見つけ、精神的に追い詰めるトニー・ムサンテが厭

黒人差別によって白人への嫌悪を抱える黒人、小心者のゲイ、息子から借金できずに愚痴を漏らす老人とその妻など、各々でも最悪な人達の複雑な闇をチンピラ2人が晒してしまう。

結末がドキッとしたし、何か異常があっても冷たい目線を送るだけの現代人の異常さを皮肉るような描写に嫌な気分になった
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