見上げた空は澄んで高く
広大にのびる大地にひとり
孤独な地での四季が移ろう圧巻の情景と
どこまでも残酷的に夜空を彩る
宝石の瞬き
覆い被さる静けさに犯され
孤独な刹那に佇む果てしない空間、
透明な境界線のなかに制限された
世界を受け入れ
過去に対峙する悲しい別れを抱きしめ
新しい未来を迎える覚悟をもって
彼女はこれからの限られたいのちを
たくましく生きてゆく
*
呼吸器やたくさんのチューブに繋がれて
生死の境を永遠に彷徨う醒めない夢を
いつか自分も見るんじゃないかと
闇雲に不安に襲われることが若い頃からたまにある。
彼女は この答えのない理不尽な"世にも
奇妙な物語"に早くから受容の姿勢をみせ
広くて狭い世界でただひとり孤独に生を
紡いでいくのだが
まさに自分が想像する悪夢の只中を生きて
いるようでとても苦しかった
彼女を取り巻く動物たちの生と死に寄り
添い 愛と喪失を繰り返しながら筆をおいた彼女を待ち受ける運命にはには
どんな意味が宿ってるのだろう。
全体の雰囲気や 終盤の不穏で驚きの展開は
「LAMB」を少し思いおこす
2022-304