ゆづき

ファウンドのゆづきのネタバレレビュー・内容・結末

ファウンド(2012年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

兄と弟が手を取り合い抱きしめ合ったシーンで視聴を止めればよかったという気持ちと最後まで見て良かった気持ち。心がふたつある〜

あの家族そんなに最悪じゃないと思うんですよね。母も父も「良い親」ではなかったけど、少なくとも悪い人ではなかった。…いや父親はそうでもないけど。
両親ともに弟の趣味を否定せず、落ち込んでいる時は(絶対興味ないのに)趣味に付き合ったりして慰めようとする姿が描かれてたからそんなに悪い親とは思えなかった。映画館の帰り道のやりとりは心が温まった。
兄が人殺しという点には一旦目を瞑るとして、兄も兄なりに弟のことを思っていたし、働いてお金を家に収めてたしそんなに悪い人に感じられなかった。
なので、家族が向き合って、お互いの弱さを認めて兄を出頭させるオチを本当に望んでいました……。ラストシーンが悲しすぎる。凄惨でグロテスクな状況下の冷静なモノローグがより一層切なさを際立たせる。歪むどころじゃないよあんなの。
どうせならもっと最悪なクソ家族でいてほしかった。

あと、なんか節々にホモソ感があったというか、これのせいでみんな歪んだんじゃね?と思った。
男らしさにこだわってたり、「ホモだ」と罵ったり、ナニの大きさを揶揄ったり、相手より上に立とうと強気に振る舞ったり…等々。
大きく展開が変わった親友に生首を見せるシーンなんか特にそうで、スプラッター映画を見てビビる弱い自分を見せたくないという意地の張り合いから取り返しのつかない事態になってしまったし。
兄が弟の涙を見て動揺するシーンも、兄は兄なりに悩みを抱えていて"男らしく"泣かずに耐えていたものの、自分の感情を素直に吐露する弟を見て自分も泣いてよかったのかと気づいてしまったのかなと思ったり。弟の意見を聞かず「俺がそうなんだからそうだろう」みたいに弟と自分を同一視してたから色々重なったんじゃないかな。
悲しい。でも多分そんなことないや

それはそれとして声だけ聞かせて想像力にお任せする暴力サイコーーーーーーー!!!!!オイル漏れてるぜ!!!!!!ヒュウ!!興奮しました!!!!
ゆづき

ゆづき