たけき夏アニメーション

ファウンドのたけき夏アニメーションのレビュー・感想・評価

ファウンド(2012年製作の映画)
4.5
少年、死体、ホラービデオ、という要素からある種耽美性も伴うような青春ジュブナイルへと行き着くように想像するが、
この映画はそういった観客の甘え、---つまりスプラッタ映画やバイオレンス映画などを見る時に必ず発生するどこか生ぬるい甘えた牧歌的な精神性をこれでもかと突き放す。

これは『ファニーゲーム』や『スーパー!』のような暴力と憎悪についての映画だ!
"少年とスプラッタ"の映画であるというこの映画自体のルックのせいで、本作が伝えようとするメッセージは何層にも多重的になり正直ミヒャエルハネケ2本分くらいの重く厳しいメッセージや教訓めいたものが内包されていると思う。

想像以上に厳しい映画だ。裏『コップカー』とも言えるようなハードさ。(コップカーが既に裏っぽいので、裏の中の裏?笑)

トランプが大統領になった今こそ見るべき、
Love Trumps Hateであると同時にHate Trumps Loveでもある事を逆説的に告発してしまった厳しい映画。