このレビューはネタバレを含みます
亡くなってから伝説になった偉人は数あれど、未だに「実は生きていた!」なんて都市伝説のあるアーティストはエルヴィス以外に知らない。
死してなお放たれ続ける、魔力のようなカリスマに魅入られた男の物語。
以下ネタバレ。
家族の再生を経て自らの人生を見出す結末ならば、それではただのワナビー。
映画というフィクションであるからこそ、彼は42歳、グレースランドで、あのように死ぬべきであった。なぜなら暖かい家族も、43歳以降の人生も、エルヴィス本人になかったのだから。
理由はそれだけで充分だ。
映画的説得力は、あの歌唱力にすべて込められている。