NEWおっさん

透明人間のNEWおっさんのレビュー・感想・評価

透明人間(2019年製作の映画)
4.0
「定番ジャンルながらも安定感の面白さ」

H・G・ウェルズが原作、、1933年に公開された同名映画をリブートした作品。監督は「アップグレード」のリー・ワネル。

元となった原作などは見てないが、全く問題なし。むしろ手垢が付きまくってる透明人間というジャンルを娯楽エンタメとして昇華している手腕に拍手。リメイクではなくリブートだから元となってる1933年版よりかなり変えてることだろうし。

これネタバレなしで語るの難しいな。惜しいのはツメが甘いとこがあるということ。このツメが甘いてのは作品全体のことを指しているのではない。ああこれもあんまり言うとネタバレになるな。とにかくホラーとしてもサスペンスとしても
面白かったし、ドンデン返し好きにもオススメ。

———————ここからネタバレ——————





















最初は多分透明人間てのは何かの比喩なんじゃないかと思ったが、主人公の病気や妄想でもなんでもなく、ガチの透明人間モノだったことに逆に驚いた。透明人間になれることに対して理屈付けしてて、決して無敵じゃないことにしてるのも良い。正に技術の進化と共に現代風にしている。

途中まで主人公の妄想なんじゃないかと思わせる演出が上手い。中盤、他の人にハッキリスーツを見られるとこでガチなんだと分かるが。そこからはバトルモノと化したのはちょっと残念。上記でツメが甘いと思ったのは犯人。エミリーは殺しといて警官達は殴るだけで終わらせるのかと思った。あくまでセシリアに深く関わる人間にしか手を出さないスタンスだったのかも知れないが。あといくら透明人間だからってたまにスーツ見えたりしてたのにそれにしては強過ぎないか。

実行犯はあくまで兄のトムでエイドリアンは何もしてない描写だが、セシリアはそれも全部エイドリアンの仕込みだと言う。これがどっちが本当のことを言ってるのか視聴者にも分からないまま終わるのも憎い。復讐したいが為にセシリアが嘘付いたのかも知れんし。キッチリやられたらやり返す、一見後味悪そうに見えて爽快感すらあるラストも良かったな。