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透明人間のmのレビュー・感想・評価

透明人間(2019年製作の映画)
3.5
誰もが知る作品をここまで新鮮味溢れる作品に仕上げるというのはなかなかのセンスではないか。とりあえず、気持ち悪過ぎ、怖過ぎな作品でした。

ホラーは比較的苦手なのでお初にお目にかかります、リー・ワネル監督(ソウの脚本家さんなんだね)

幼少期、初めて性というのに目覚めたのはフランソワ・オゾン監督の『スイミングプール』
初めて性的に気持ち悪いという感覚を知ったのは午後のロードショーで観たケヴィン・ベーコンさん主演『インビジブル』
透明人間というコンセプトの『インビジブル』を観て嫌悪感を抱いていた私は同コンセプトの今作を嫌厭していた。

が、アマプラに来ていたし、話題作ということで鑑賞。これが意外にも面白かった。(キモかったけどね!)

恋人のエイドリアン(オリヴァー・ジャクソン=コーエンさん)による束縛に苦しめられていたセシリア(エリザベス・モスさん)が豪華な屋敷から抜け出すシーンからはじまるストーリー。
『17歳のカルテ』『ハイ・ライズ』『アス』などに出演しているエリザベス・モスさんが少しの体重増量しているのかまるい身体で高い演技力を見せてくれている今作。
なんとなくなんだけど気弱そうというか男性から下に見られそうな女性を彼女が上手く演じていらっしゃる。
また情緒が不安定な様、まさに精神疾患者に見えるぐらつくメンタルを完璧にこなしていた。

また映像が素晴らしい。白い吐息、へこむソファ、演出と透明人間視点のカメラワークが巧み。すぱっと切れるナイフなどゴア表現もよかった。

そして後半の展開は、使い古され誰もが知る古典に新鮮さがプラスされていて、昨今の情勢・流行に遅れを取らないものにブラッシュアップされている。監督のセンス。

映画館で見たらさらに評価は高まっただろう。いや、私のことだ、怖くて帰りのトイレ行けなくなる笑

ストーリー : ★★★★☆
映像 : ★★★★☆
設定 : ★★★☆☆
キャスト: ★★★★☆
メッセージ性 : ★★☆☆☆
感情移入・共感 : ☆☆☆☆☆

cc/見えるのは、殺意だけ。
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