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透明人間のshinkorurunnのレビュー・感想・評価

透明人間(2019年製作の映画)
4.6
滅茶苦茶面白い。

ソウなど低予算で成功した実績があるリー・ワネルだからか本作もかなり低予算で作られています。特別スゴイCGを使ってるわけじゃないしセットも作られてるわけではないのに終始見入ってしまう映画でした。

恐怖の対象となる人物が見えない、という設定をこれでもかいうレベルで上手く使っていました。相手のことは見えないけど、確かに気配は感じる様子を上手く表現していて、カメラに収まっている空間の中では一定の「空白」があるのが非常にイヤらしいと感じました。あれ?ここに透明人間がいるんじゃね?みたいになるシーンが多く、作中ではとにかく緊迫感が絶えることがありません。何て事もない日常描写ですら気が抜けない。白い吐息だけが映るシーンなども鳥肌物です。

後半には透明人間ならのアクションシーンもあり、とことん楽しませてくれる作りでした。あまりにも強すぎで笑っちゃいますがw透明になれるだけなはずでは?

本作の透明人間の演出などはもちろん凄かったですがやはり本作のMVPはやはりエリザベス・モスでしょう。透明人間の手によって心身共に追い詰められていきやつれていく演技は中々の物です。ラストシーンの表情は何を考えているのでしょうか。非常に余韻の残る最後でした。超絶傑作。
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