猿山リム

透明人間の猿山リムのレビュー・感想・評価

透明人間(2019年製作の映画)
2.8
 予告が気になっての鑑賞。
 かなりホラー且つオカルトっぽい内容を醸し出している割に、そっち方面の広告をしていない感じで、かといってサスペンスといううわけでもなさそう。
 ネタバレスイッチを入れずにどこまで語れるか・・・ジャンルはSFが一番しっくりくるのかしら。
 つまりホラー的な恐怖の煽り方は少ないので、苦手な方でも鑑賞できる感じで。

 実写映画で、透明人間を表現するにあたり、いろいろな手法があるわけだが・・・この作品では「音響」に拘っているのを感じた。
 カメラ位置が変わると、聞こえる音が変わる。
 誰もいないはずの場所に、微かな音をさせることで、主人公が感じたものと同等の「気配」を観客も感じることができる。
 ソーシャルディスタンスで、周囲に人の気配が少ない今、劇場で鑑賞してほしい一作。
 まぁ家庭に凄い音響環境があるならそっちの方が完璧だけどね。

 ゲームが好きだと「ストーカー」という言葉の意味が「こっそり忍び寄るもの」という意味に解釈しちゃうんだけど・・・。
 本当の意味で「ストーカー」な透明人間。
 そして「透明人間」を検索すると、大なり小なりエッチな展開が挟まれる作品が多いわけだが、とある事情によりこの作品では、特にお色気方面の描写は無い。
 年齢制限もPG12だし。

 ちょっとおかしな展開もなくもないけど、筋はおおむね通った作品。
 深く考えさせられるラストは、人によって解釈の異なる余地があるように感じた。
 鑑賞した人同士で感想を語り合って面白いタイプかなとも。
猿山リム

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