つるばみ色の秋津凡夫

劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケールのつるばみ色の秋津凡夫のレビュー・感想・評価

1.0
仮想の騎士、仮装の紳士

作画は丁寧であるが、キャラクターの仕草や表情、会話のやりとりは古臭いテンプレ。

また脚本に驚くべき展開は無く退屈である。
まずARに対する規制が緩過ぎる為、連日関連事件が起きても不思議で無い欠陥品にしか見えず、VR事件後の社会に浸透している事に違和感を覚えた。
そしてトラウマの克服の描写も無い事、ラスボスを倒せば万事解決という物語の幕引きも強引である。
まずリアリティのある基礎、覆す事が不可能な設定を作り伝えねば、物理法則を超える人の可能性に説得力を持たせられない。
また己と同じく辛い境遇に陥り、己と違い救いの手が差し伸べらぬまま過去のトラウマに苦しむエイジの主張に対して、明確な回答や解決を図らぬままに斬り伏せるのは厳し過ぎるだろう。
かつての我執に囚われたソロプレイヤー時代の面影を感じた。
同じ地獄から逃れられた者としての導きは、強者たる彼の責務に思う。

此度の事件での責任の所在は有耶無耶にされて次回作へ。
フラストレーションの解消を切に望む。