白波

T2 トレインスポッティングの白波のレビュー・感想・評価

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)
4.5
最高な作品です

2017年5月鑑賞
当時英国だけでなく日本でも一大ムーブメントを巻き起こした名作、「トレインスポッティング」の続編です。
ブリットポップ全盛期、その勢いがそのままフィルムなったような作品に皆夢中になっていたと思います。
ボイルはもちろん、ユアンマクレガーとアンダーワールドがこの作品で爆発しましたね。それが20年の時を経て、しかもオリジナルキャストでの続編です。
「ビーチ」での確執も乗り越え、監督も脚本も同じままでですよ。
これは見逃すわけにはいきません、珍しく初日に行きました。
あのラストから20年後の時間をどう描いていくのか、気になって仕方ありませんでした。
始まりからして実に「トレスポ」で、今回もサウンドが秀逸です。
特に物語の随所随所に入れくる「ボーンスリッピー」のアレンジがものすごいです。
曲はそれを匂わせているものの、全く別物のような化け方をしているんですね。
他にも全体的に曲のチョイスが素晴らしく、「うん、トレスポだなぁ」って感じます。
時間が経ってもその疾走感はそのまま、そして今回も良く走ります。
カメラワークも実にそれで、観ている自分も思わず懐かしい気持ちになってくるんです。
20年経つも彼らは基本変わらずカスのままなのですが、それがまた嬉しいのですね。
それに罵り合いながらも何だかんだ仲が良いのがわかります。
そうやって前作の香りをたっぷり醸しながらも、物語が進むにつれ彼らが抱える心のほつれのようなものが見えてきます。
今回の続編では四人の内面をより掘り下げており、ドラマとしてより深みが増していました。
皆時間が経ってあの頃のままで居られるわけもなく、色々な困難に進んで行く彼らの姿は、少し考えさせられる部分もありました。
そしてラスト。ずっと聞く事ができなかったレコードに針を落とし、スィングするレントン。
ここのカタルシスはものすごかったです!思わず声が出そうなほどでした!
この続編も間違いなく「トレインスポッティング」でした、未見でしたら是非前作と合わせて観てください。
最高な作品です。
白波

白波