洋画に魅入られた男

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルの洋画に魅入られた男のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

インディ・ジョーンズ最後の最高作


良かったところ・面白かったところ

・とにかくインディ愛がすごい。前作までのオマージュが本作の随所にまで散りばめられてる。全作品観た人なら、「ここは〇〇のシーンと同じだ!」って興奮するはず。
・冒頭のインディとバズの過去編。最高すぎる。インディ好きだったらこの場面だけで大満足すること間違いなし。とにかく列車バトルもバイクシーンも楽しすぎるし心が躍る!躍る!
・インディ特有のMAP上を飛行機が飛ぶ演出(もちろん本作もあります)。
空港でのインディとサラーの会話で、インディは「今回は冒険じゃない」と言って旅立つ。この時は飛行機演出なし。
その後ヘレナとテディとモロッコを旅立つ時は飛行機演出がある(冒険の始まりを暗示)。
↑のこだわりがすごくて製作者のインディ愛を感じた。
・テディが良いキャラしてる。本作のショーティー枠なんだろうけど、本作で一番冒険してるかもしれない。敵に捕まるも単独脱出して、まさかの敵の大男を1人で倒し切るし、最後は飛行機の運転までする。ショーティーよりは現実主義だけど、勇気も行動力もあってこれを機に冒険の旅へ出て欲しい気持ちになった。あと、スリが得意なのも良かった。
・アルキメデス先生、すごい。日本史専攻だったので、世界史にほとんど触れてなかったこと後悔。今回は前作までとは違い、歴史的事象がかなり関わってくる作品だったからもう一度世界史学び直してから再視聴するつもり。



疑問に残ったところ、残念だったところ
・とにかく本作のヒロイン・ヘレナが金に執着しすぎる。頭は確かに良い。暗記能力とか行動力も◎でも作中ずっと金!金!金!って感じでそのことしか頭にない感じがして嫌だった。あと数日旅を共にしたであろう船の船員・船長が死んでもダイナマイト最強って笑ってるのなかなかヤバいやつだった。父親(バズ)対する感情とか、冒険に対する愛をもう少し表に出した脚本であってほしかった。
・序盤に出てくる黒人の女性。何かの捜査官?らしいのだけど、この人出てくる必要あった?ってくらい特に意味も残さず、インディたちと絡むこともほとんどなく退場。いや、結局誰だったんだよ?ってなった。出す必要あったのか…ポリコレ要因だったのかな?と余計な詮索をしてしまうぐらいには意味がよくわからない登場人物だった。 
・現代パートの敵キャラ数がシリーズ1少ない。もう両手(下手したら片手)で収まるくらいしか出てこない。その割にはインディの旧友だったり同僚、民間人がポンポン死ぬ。こんなにインディ陣営が命落としたことって多分ないと思う。
敵キャラの数、それこそ一小隊くらい出てきてほしかった。(まぁナチ残党設定だから仕方ないのかもしれないが…)


全体を通しての感想。
個人的に本作はインディ・ジョーンズの『冒険』をテーマにした映画ではなくて、『人生』を描いた作品だと思った。
インディが謎解きして遺跡から遺跡を冒険している姿をたくさん観たい人は本作見たら少し拍子抜けしてしまうかもしれない。本作は、謎解き要素も冒険要素も前作品たちよりも少ない。
クリスタルスカルまででインディの冒険は終了してて、本作はインディのその後の人生を描いているのだとしたら、これは本当にシリーズの集大成だと思う。

インディの人生を見届けたい人はこの作品を見るべし。
あと、マリオンとの最後のシーンはすごく感動した。思わず涙腺が緩んでしまった。
ユーモアもシリーズのセルフオマージュも心躍る冒険とインディの人生がギュッと詰まった作品です。
2回目も映画館で観る予定。